2013年12月2日月曜日

ひゃっはー、戦争だ!(副題:「つぉ」のススメ)

 EVE宇宙でのんびりぼんやりとお過ごしの皆さん、こんにちは。
 今日も放浪生活をエンジョイしてますか?
 私はしています。エンジョイしています。

 今回のアップデートで追加されたSoE(Sister of Eve)が開発した、探索向きのFGおよびCLについては、アップデートが導入される以前から話題になっていたことと思います。

 IRLは相変わらず多忙ですが、私もそろそろSoEのLPを集めてBPCくらいゲットしようかな。ゲットしちゃおうかな。とうさん、がんばっちゃおうかな。

 とか思って最寄のSoEエージェントのところに赴いて「最近なんだか忙しそうじゃない? 私も仕事を紹介してほしいんだけど」なんてブラスタ片手に話しかけてみたのです。

 あまねくEVEのあちこちで、八方美人にエージェントと仲良くしている私ですから、当然のようにお仕事をいただくことができました。
 そして2日ほど経ったある日。

 いきなり Flat Sleeper は宣戦布告を受けました。

 おお。
 これが噂の「SoEでちゃらちゃらミッションしてるグズども(私のことか!)に戦争をふっかけて、あわよくばバカども(私のことか!)を食い物にしてやるぜローラー作戦」のようです。

 はい。
 PvPがニガテな、グズです。すいません。
 Proteus でブラスタを撃つことにヨロコビを見出しておきながらも、PvEで今日も明日ものんびりぼんやり赤十字だけを追いかける日々を送るつもり満々です。
 対人とか怖いですよコワイ。きゃー、こわい(棒読み) 。

 ということで、SoEのエージェントには「短い間だけど親切にしてくれてありがと、じゃね」と短い挨拶もそこそこに、とっとと拠点に逃げてきました。フレイタで。
 Kamikazeおそるべし、なのですが、まぁ、なんとかなるだろ~? とか思ってステーションから出たものの、ワープインまでの時間が今まで以上にかかるものですから、すごく緊張しました。

「今、誰かに襲われたら、私の大事な2隻のT3と装備一式(と、ごみみたいなLoot品の数々)が燃えてしまうのね!」とか思ったらそりゃ緊張します。
 ワープインのときの重力子放射の副次作用のように、視界のまわりがチカチカしてきて、手足の指先がしびれました。
 緊張のあまり。

 なんていうか、こう。
 大きいほうの排泄を、ずーっと我慢してると、こういう感じになりません? なりません?
 力が入らなくて、しびれて冷たくなってきたり、しません? しません?

 そんな小心者の私が、PvPとかムリですよ、ムリ。
 Angelが装甲に穴を開けてきただけで、ビビって、Podのなかでちょっと漏らしちゃう(大きいほうではありません)くらいのビビりですから、PvPとかムリですよ、ムリ。

 だから、戦争期間中は引きこもります。
 The Skill Online。略してTSOですよ。読みとして最適なのは「つぉ」ですよ、「つぉ」。

 というわけで、一週間の「つぉ」生活に入りたいと思います。
 みなさんごきげんよう、また来週!

2013年11月26日火曜日

放浪は続く。

 春からIRLが多忙になり、日記の記録はおろか、プレイ時間は減少し、ログインさえままならないことも多くなってしまった。

 Null領を撤退したのは夏の終わりの頃だったろうか。

 High Secに戻ってきた私と真雪は、ふたたびエージェントたちをからかったり、ご機嫌を取ったりしながら、Corpの維持を続けている。
 なにせオフィスが6つくらいあるのだから、維持費を稼がないと、という意味不明な目的意識だけが私たちの行動の動機になっているんじゃないかと心配にさえなる。

 そんな、生きているんだか死んでいるんだか分からないような Corpなのに、先日、新しいパイロットが参加した。
 世の中には不思議なことがあるものだと思う。

 私と真雪以外のメンバのほとんども、生きているんだか死んでいるんだか、ときどきログインしてはスキルを覚えてふたたび眠りに就いている様子だ。
 とはいえ、新メンバの紹介くらいはメールでしておこう、と思ってメールを送信したら、24時間以内に4人くらいから返事がきた。
 なんだなんだ。
 みんな生きているんじゃないか(笑)。

 世の中には不思議なことがあるものだと思う。

>>>

 アップデートでまた新しくモジュールやらが加わり、艦船の調整が入った。

 真雪は相変わらず「Rattle Snake」に乗って Drone をもてあそんでいるし、私は「Proteus」と「Loki」を主力に飛び回っている。
 Null では T3CL「Legion」にたいそうお世話になったものだが、HighSecだとやっぱりあの「死んだ鳥」みたいな風貌といい、T1レンズなら弾薬費はかからないけれど役に立つ場面が限られている武装といい、ぱっとしないのでそのへんに放り出してある。

「Tengu」も持ち歩いてはいるが、ミサイルはやっぱりあまり好きではないから、ついつい前述の2隻が私の主力なのだ。

 それでもいくつか、乗ってみたい船が出てきた。

 まず「Eos」。
 これはT2BC(Battle Cruiser)なのだけれど、Gallente の DroneBC 「Myrmidon」をベースにしている。
 今までは各国とも、T2BCになるのは2種類あるうちの一方(Gallenteの場合「Brutix」)だけだったので、見た目にも退屈だったのだ。

 ただ、私は、Drone艦との相性が、地味に悪かったりするのだけれど。

 あと、EFTで調べたら「Proteus」に乗っているときのDPSが、900を超えることもあると判明した。
(Void弾とDroneを併用する組み合わせで)

 PvEばかりの私にとっては、属性のほうが大事だけれど、いつかのように Proteus だけですべてのミッションに挑戦するのもいいのかな、と思ったり。

 あるいはそろそろT2BSにも乗ってみたいなぁ、と思ったり。

>>>

 Gallente と Minmatar の境目の宙域を、かなり手広く漂っている私たちは、呆然と今後のことを考えているようで、やっぱり考えていないのかもしれない。

 パイロットとしてデビューしたてのころは、寝る間も惜しんでがつがつとプレイしていたけれど、長く付き合っている恋人同士のように、ほどよい距離でのプレイをずっと楽しめるのもこのゲームのよいところなのだろう。

2013年7月10日水曜日

それでも不屈の精神を

 POSが燃えた。
 POSが燃えて、船が盗まれた。
 ログインした直後、そこには、ぽっかりあいた虚無だけが残っていた。

 私の作った採掘艦4隻。
 私の作った輸送艦1隻。
 私の作ったサルベージ艦1隻。
 私の作った戦闘艦1隻。
 私の作った探査艦1隻。

 私の作らなかった艦船、3隻くらい。

 ああ。
 なんということだろう。

 ポッドの溶液が、失意と恐怖でその温度を急激に下げたように感じる。

 逃げるようにしてOPへジャンプを繰り返す。
 System 内には私と真雪しかいないけれど、何者かに追われるような、不気味な感覚が肌を覆う。

 OPに入って、ぐったりと艦長室のソファに横になる。
 いったい、これからどうすればいいのだろう。

 真雪などは魂が抜けたような表情で、うつろに虚空を眺めている。
 私たちが戦闘で使っている艦船は無事だが、失ったものは多い(気がする)。

 おそらくはWHからの侵入者がこぞってPOSを襲撃したのだろう。
 なんという不注意。
 なんという無防備。

 POSにそれだけの艦船を停泊させたままにしていたのは、すべて私の失策だ。

>>>

 ふと Ship ハンガに目を移す。

 ああ。

 この期におよんで、まさか。

 なんということだろう。

 採掘艦が2隻、出来上がっているではないか。

 装備も一式、ころがっているではないか。

 Rigまでご丁寧に出来上がっているではないか。



 ぐったりうなだれた真雪に声をかける。
 彼女は蒼白な顔を重たそうに持ち上げ、私のいるあたりを見つめる。
 その瞳は、ブラックホールのように光を失っている。

 私たちは譴責を受けた末、追放されるかもしれない。
 けれども、それまでは、できることがあるのだ。



 真雪はOPを出る私に、しぶしぶついてくる。
 私は採掘をする。
 真雪はその護衛をする。

 今までより慎重に。
 今までより的確に。

 目の前には鉱石があり、OPには生産ラインとBPCがある。
 一晩掘って、採掘艦をさらに3隻製造することができた。



 そうだ。

 私たちは無力なんかじゃない。

 忘れてはいけない。

 私たちは無力なんかじゃない。

 失敗にうなだれたあとは、同じ失敗を繰り返さないように、糧にして立ち上がればよいのだ。



 ……でも。
 BPCが尽きたらどうしよう。
 今はそれが心配だ。

2013年7月9日火曜日

あなたのZAZENはDPSに貢献しない。

 Nullの静かな宇宙での日々は、私の心を優しく癒してくれる。
 そこには競争も執着もなく、ただただ心のおもむくままに船に乗るという、私がPod Pilotになりたいと思ったすべてがあるのだった。

 DPSも Bounty も、DED品もFac品も、そこではたいした意味を持たない。
 ただただBPC(あるいはBPO)があり、鉱石の採掘と、そしてときどきそれを妨害する、ちょっと風変わりな(だからといってことさら憎らしいわけでもない)Drone。
 ときどき襲撃を目的とした船が迷い込んでくることもあるが、これも蚊のようなものだ。
 遠くに戦火が上がっているというリポートも漏れ聞くが、それでも、私の採掘艦の半径50kmは、だいたい静謐で平和だ。

>>>

 しかし、このまま闘争のない日々に埋もれてしまうわけにはいかない。
 なにせ、誰も石なんて買わないのだ。
(できたものだってたいして売れないのだから当たり前だ)

 私はこの星系を借りている家賃を納めなくてはならない。
 家賃滞納すなわち退去。
 世の中お金よおカネ!

 そんな世知辛い実情が、じりじりと、私の情報伝達プラグを加熱させる。
 Wallet情報を開く。
 数日で数mil増えて、数十mil減っている。

 マイナスだ。
 超マイナスだ。
 マイナスを超えるマイナス。すなわち超マイナス。
 それってプラス? いいえ、マイナスです。

 マイナス概念のゲシュタルト崩壊を尻目に、私は私(と妹の真雪)の財政を立て直す必要を感じた。

 Nullは楽しいかと尋ねられたなら、私たちは間違いなく「もちろん!」と答えるだろう。
 しかし、Nullは儲かるかと尋ねられたなら、私たちは間違いなく「え、いや、まぁ、そういう人もいるらしいよね」くらいの、台風の後の田んぼに向かう用水路を伝う水のような非常に濁った答えを出すだろう。
(Caldari生まれの私が、どうしてオールドアースの、ましてその小国であるヤポネの糧食生産文化とその風景に詳しいのかについて、皆さんには教えられない)

>>>

 この地で即金になるといえば、強盗か、Drone退治だ。
 強盗は無理だ。
 私は他者の介在を極力避けているから。
 いわばPod引きこもり。
 Caldari生まれでCaldariを避けるように出て、今ではNullで石を掘っていますが本当はブラスタ使いです。

 なにこの「おたずねもの感」。

 とにかく、強盗はお金にしづらいので、Drone退治です。
 簡易サイトもごろごろ浮いています。
 たまに数十milの賞金がかかっているレアなDroneBSも出現します。

 というわけで、これをちまちま倒していました。
 相変わらず、私は接近してパルスを照射(通称:近づいて殴る)。
 真雪ははるか彼方からDroneにて支援(通称:見守り係)。

 と、あるとき、サイトの攻略を終えたときにダイアログメッセージが出ました。

「なんだか、真雪が特殊なサイトへの入り口に関する情報を入手したらしい(意訳)」というもの。

 な・る・ほ・ど。

 これはなんだかオタカラのかほりが、ぷーんと匂い立ちます。かほりますよ。

 ということで、特殊なサイトの入り口情報がジャーナルに記載されているので行ってきました。

>>>



 というこの日の日記は、このままぷつりと途絶えている。

 うん。
 覚えてる。

 翌日、実際にサイトに出かけて、Mother Drone(ウツボカズラのお化けみたいなの)を相手に、真雪とふたりだけで1時間くらいかけて戦って、たいした報酬は手に入らなかったんだよね。
 ZAZENの心で心身滅却しても、ろくにダメージが入らなくて、本当に苦労したんだよね。

 ひたすらひたすら、レーザーをピンピン撃ちつづけたあの退屈な1時間と、手に入ったカスカスのアイテムやらDrone鉱石やら変な箱やら。

 うん。

 だからきっと、公開しなかったんだよね。

2013年6月23日日曜日

いつも不屈の精神を。

 また Ratに襲われて Retrieverが灰になりかけた。
 しかし私だって、いつまでもバカではない。
 岩がふさいでいる進路の逆方向を見回し、そこにジャンプできる先を見つけた。

 たまたまそこが Droneたちの巣窟になっているサイトだったのは、私の運が悪かったのだ。

 そのようなわけで、かれこれ3隻目か4隻目くらいになる採掘艦をお釈迦にした。
 さすがZAZENである(意味が分からない)。

 無論、鉱石は採掘済みであり、ミネラルは精錬済みであり、BPCは購入済であり、次の採掘艦は製造済みである。
 向かうところ敵なし。
 悔しさに目の前が霞んでいるのではない、ちょっと疲れているだけに違いない。

 なんて思っていたら、家賃の請求がやってきた。

 そうだった。

 泥遊びのように、毎日掘っては作り、作っては売りに出し、売りに出してはひとつも売れない日々が続いている。
 ZAZENの心は無の心。
 無心に目の前のことに相対してこそ、宇宙の真理が見える、はず。

 しかし、そんな泥遊びに興じている場合ではなかったのだ。
 お金を稼がなくちゃいけないのだった。
 
>>>

 一時は真雪を護衛につけて掘っていたのだけれど、Ratはそんなに頻繁に沸くものではない。
 二人で掘れば鉱石は2倍になるのだ。

 なんとかよい方法はないものか、と苦心する。

 そこで思いついた。

 まず、Retriever よりも防御力の高い Procurerで採掘し、満杯になったらPOSにJETする。
(POS:Player Owned Structure。テントのような簡易ステーション)
(JET:船外排出)

 何度かそれを繰り返し、鉱石積載量の多い Retriever に鉱石を積みなおし、OP(OutPost)へ輸送する。

 こうすれば短時間で大量の石を(けっこう安全に)採掘し、輸送のときは大容量で行うことができる。
 万歳。
 BPCをたくさん持ってきてよかった!

 というわけで、早速開始する。


 実質、2人のキャラで4隻の採掘艦を使うという、ちょっとゴージャスなことになってしまったけれど、掘るときは集中して掘り、運ぶときは連続で運ぶというスタイルが、今はたいそう気に入っている。

 今のところ、Procurer は落とされていない。

2013年6月16日日曜日

タレットの命中率を格安で安全に上げる方法。

 みなさんこんばんは。
 ZAZENの心はNullの心。
 宇宙の深遠の闇に心の底の空白を重ねることによって、己の精神に新しい無の境地がもたらされるのです。
(なにこのアヤシイ宗教)


 そんなわけで宇宙の果ての暗闇の中、心をNullにして採掘していたところ、Ratに採掘艦を壊された、つららです。
 私の心もお財布も、また一歩、空白に近づきました。ありがとうございます。
 いいえ、全然ありがたくありません。

 そこに鉱石があるから掘っていたのですが。
 そこに鉱石があるせいでワープできずに壊されました。

 鉱石のバカ! バカ!
 こうなったら掘ってやる! 掘ってやる!
 えーい、これでもかぁ~。
 きゃ~! もうやめてよぉ~!
 あはははは!
 うふふふふ!




 ……なにをやっているんでしょうか。
 孤独のあまり、変な白昼夢でも見ているんでしょうか。

 新しい採掘艦ができると、採掘艦は壊れる運命なのでしょうか。
 山は死にますか。海は死にますか。
 風はどうですか。空もそうですか。
 採掘艦は壊れますか。壊れたら作ればいいですか。
 作ったら壊れますか。そうですか、そうですか。

 ええ。
 BPCならまだあるんです!
 船のBPCがあるなら(そしてそこにミネラルがあるなら)作ればいいんです!
 Mexallonなんて、買えばいいんです!
 ミネラルがないなら掘ればいいんです!
 最悪、T3で掘ればいいんです!

 そんなわけで、壊されても壊されても、不屈の精神で同じ船と同じFitを作り続けています。

 そうこうしているうちに、真雪もやってきました。
 つらら的には、真雪がいてもいなくても放浪気分に変わりがないのですが、真雪的には、つららがいるとたいそう嬉しい気がします。
 プレイヤは一緒なのですが、気持ちにずいぶん乖離があるので、これはちょっとした並行人格障害なのではないでしょうか。でも気にしません。



 さて、今日は Legion のタレットです。
 Legion といえば、泣く子も黙る Amarr帝国の T3CL。
 Amarr帝国のタレットといえば、いわずと知れたレーザタレットです。

 ……が。

 どういうことでしょう。
 短距離用高火力兵装としてその地位を定着させているはずのパルスレーザータレット。
 そのトラッキングは、とても遅いのです。

 短距離高火力型タレットはパルス(光学系)/ブラスタ(ハイブリッド系)/オートキャノン(火薬系)と3種類あります。
 私は大型艦を嫌うため、Mサイズタレットを愛用しています。
 では、それぞれのMサイズタレットの特徴を見てみましょう。



Heavy Pluse Laser II(Pluse Laser)
Optimal:12000
Falloff:4000
Tracking:0.081

Heavy Neutron Blaster II(Blaster)
Optimal:3600
Falloff:5000
Tracking:0.12

425mm AutoCannon II(AutoCannon)
Optimal:2400
Falloff:9600
Tracking:0.105



 さて、それぞれMサイズで最大火力を誇るクラスのT2タレットです。
 それぞれの特徴がよく現れていますね。
 上記はスキル/インプラント/弾薬補正のない数値ですから、高威力/短射程の弾薬を使うと一般的に Opt.Rangeは半分になります。

 パルスレーザの場合、かなりの Opt.Range が存在します。
 Falloffは短いため、最大射程は16000~20000m。
 だいたい10kmの位置でも十分な威力を発揮できそうです。
 そのかわり、Trackingは低め。
 
 ブラスタの場合、ダメージ減衰しないようにするには3000m付近で攻撃しなくてはなりません。
 対FGでMWDを使ってOrbitなんてしていたら、命中する気がしませんね。
 最大射程は8600~136000。
 まぁ、10km以内の距離で殴るのは必須といえそうです。

 オートキャノンはダメージ減衰はやむなし、と考えたほうが良い感じです。
 最大射程は120000~21600mですが、ダメージのばらつきは大きく感じます。


 さてもトラッキングです。

 私はブラスタ使いですから、最短距離から殴る戦術を使い続けていました。
 ProteusにFac品の Tracking Computerを3つ(with Tracking Script)を装備し、インプラントも「Tracking5%上昇」を装備してT1(もしくはFac)弾薬を使えば、Webなど掛けなくても SpiderDrone(もっとも小さくてすばしこい、Web+Scramをかけてくる Drone)にも当てる事ができます。

 ところが、パルスレーザのトラッキングは 2/3です。
 これではトラッキングコンピュータなんてつけるだけ無駄です。無駄。
(Weapon Upgradeは、パーセンテージで性能が上がるため、当然ながらもとの性能が高ければ高いほど大きな効果を発揮します)

 さて、いったい Spider Droneを簡単に、かつ格安で撃退するにはどうすればいいでしょうか。

 以前「Tracking Computer のようなアレコレ」という項目で紹介したことがあります。
 敵に対する攻撃を命中させやすくするには、例の4つのモジュールを使えばよいのです。

 結論から言うと、今回のように極短射程(10km以内)においては、Webがもっとも効果を発揮するのは皆さんもご存知の通りです。
 ひとつあたり60%の速度低下は、垂直方向におけるトラッキングを倍ほどの効果にしてくれることに等しくなります。
 また、こちらが交戦距離を優位にコントロールできるのもWebの特徴でしょう。

 欠点は、Fac品や特殊なボーナスを持つ船を使わない限り、その最大射程は10kmほどしかない、ということ。
 もちろん、たいていの短射程兵装ならばこれで十分です。

 よって、Mサイズパルスにおける最適な装備は「Webを積めるだけ積む」で正解となるわけです。

 ミサイル使い/Drone使いの場合、WebとTarget Painterの組み合わせが最適です。



 さて、それでは Proteus に Tracking Computer を3つも装備したのはなぜでしょう。
 高額モジュールを見せびらかしたかったのでしょうか。

 3つの Shadow Serpentis Tracking Computer に Tracking Script をロードして、Heavy Neutron II に T1(Fac)弾薬を詰め込みます。
 トラッキング関連のスキルとインプラントにもよりますが、つらら(ブラスタに特化したインプラントを装着した個体)がこれを使用すると、Tracking が 0.457 になります。
 Spider Drone ほどの小さな目標でも、400m/s ほどに速度を落としていれば、至近距離であたるのはこういう理由があります。
 しかし、Spider Drone は10km以内に必ずやってきますから、Web×3なら、スタッキングペナルティを考慮してもよほど効果があるはずです。

(※スタッキングペナルティ:Stacking Penalty。同種の効果を発揮するモジュールを複数使用すると、2つ目以降のモジュールは効果が減衰する。この効果は累積し、4つ目以降になるとそのモジュールを搭載する意味がほとんどなくなってしまうほどである)

 実はT2ブラスタには、長距離用T2弾薬「Null弾」があります。
 先の Tracking Computer×3に Optimal Range増幅スクリプトをロードした場合、Null弾は30km以上先の目標にダメージを与えることが可能になります。
 普段なら5kmほどの距離で戦闘をしているブラスタ艦にとって、30kmの射程は絶大です。

 ある時期から Drone を射出してもNPCがたびたびこれを攻撃するようになりました。
 そのため私は Proteusでは、Droneをほとんど使わなくなってしまったので、なおさらです。
 そうでないならば、Tracking Computer と Target Painter と Webを併用すれば、スタッキングペナルティも発生しませんから、むしろ有利になるでしょう。

 しかし、Target Painter と Webは、ターゲットごとに毎回起動する必要があります。
 Tracking Computer は状況に応じてスクリプトを交換する必要はありますが、ターゲットごとに起動する必要はありません。

 このあたりは、武装や船のボーナス、スキルやインプラント、得意とする戦術によって使い分けるのが適切でしょう。

 そういうわけで、私の Legion は現在、Web(T2ですらない)を3つ装備しています。

 採掘艦は今でもときどき危ない目に遭いますが、真雪の採掘艦も二人の予備もできました。

 元 Flat Sleeperのメンバも一人やってきましたので、ZAZENの境地をもっと宇宙に広めてゆきたいと思います。

2013年6月12日水曜日

採掘艦でPCに襲われたときにあなたを救う、たった一つの冴えないやり方。

 昨日も採掘。
 今日も採掘。

 窓の外に見えるのは(Podの情報伝達ケーブル経由ですが)漆黒の闇と遠い星雲。
 そして鉱石。

 マンネリ化しつつある採掘生活に終止符を打ちつつ、そろそろ私もサイト攻略などをしてみようか、などと思ってスキルキューを開くと、T2パルスタレットへの道には全く関係のない、鉱石溶かしスキルが並んでいる。

 ZAZENの道は、深く険しいんだなぁ。

 などと感慨にふけっていたら、OreHold(鉱石収納庫)が満杯になったというサインが出た。
 採掘ドロンを回収し、OutPostへワープをする。

 Allyメンバの諜報チャンネルで、大量の侵入者を告げるメッセージが出ているが、まぁ私には関係なさそうだ。

 無事にOutPostに到着し、そろそろ採掘艦でも作ってみるか、とBPCを取り出す。
 当然、StripMiner(大型採掘ビーム照射装置。採掘艦専用の装備)も生産が必要だろう。

 生産ロットに放り込んだら、鉱石に不足もなかった。
 さすが採掘をする私は鉱石不足に悩んだりしないのだなぁ、などと感慨にふけりつつ、生産開始のサインを出す。

 真雪がこちらにきたら、この採掘艦を使わせてやろう、などと考えながら、OutPost から DockOutする。

 それから採掘場とOPとを、さらに1往復ほどしただろうか。


 帰りの System に複数のパイロットがいる。
 機体は不明だが、属性は Neutral。
 Blue の人たちしかいないはずのこのエリアでの Neutralは、すなわち敵性を意味し警戒を要する。

 いつもは閑散としているはずのSystemなのに、リストからあまるほどの Neutralパイロットが存在している。
 明らかに侵犯行為を目的とした集団だろう。

 諜報チャンネルに警戒情報を流し、まぁなんとかなるだろうとたかをくくってワープを開始する。
 私の採掘場はすぐとなりの System だし、むこうのPOSに到達すれば問題はない。

 ゲートに到達すると、まぁいるわいるわ。
 機体を確認するヒマもなく、ゲートジャンプのボタンを連打です。連打。

 見事、ジャンプに成功しました。
 さすが、私は幸運の女神に見守られていますね!

 さて、目的の Systemに到着したのですが……。
 ゲート付近に、彼ら Neutral属性の船がいます。
 動く気配がありません。
 ひょっとすると、マークされているのでしょうか。
 そうですね。きっとそうですよね。

 じっとしていても、クロークはいずれ剥がれてしまいます。
 間に合うかどうかは分かりませんが、いまさらゲートに戻るのは死を請うようなものです。
 POSに向かってジャンプするよりありません。

 しかしジャンプ開始数秒、回頭の最中にロックされスクラム。
 まぁ、当然でしょう。
 あとは6人くらいによってたかってアレコレされてしまうわけです。
 まぁ、警察機構の介入できない領域ですから、こんなものでしょう。
 さすがの私も、幸運の女神に見捨てられましたね!
 何事も諦めが肝心です。

 私が狙うのは、船体が破壊され、脱出のためにPodが排出される瞬間です。
 たいていは破壊されてからPodをロックできるようになるまでの間、システム上のラグが数秒発生します。
 このわずかな時間にワープを実行すればPodのワープは成功します。
(もちろん、SmartBombなど、それを無効化する攻撃も存在しますので、これは賭けです)
 落ち着いて、船が壊れた瞬間に、ワープを実行できれば良いわけです。
 惑星などを目標にする場合、ワープボタン連打で問題ありません。

 もっとも目標がPOSなので、連打はできなかったのですが。
 結果としては(きっと私の精神統一が素晴らしかったために)無事にPodをワープさせることができました。
「雁首そろえないと、ひとりじゃ何もできないくせに! このチンピラ! 下司野郎! 変態! ケダモノ! 毛も生えそろってない中二のくせに! ○※▲☆$▽%!!!」と心の中で捨て台詞を吐きながら、あとはPOSで待機です。


  やがて賊共は飽きたのか、他の星系へと飛んでゆきました。
 しかし採掘している星系ではないので、乗る船もありません。

 HighSec堀師であれば、たいそう落ち込む場面です。

 が、私は駆け出しとはいえ、Null採掘者です。

 だいたいのミネラルは掘れば出てきます。
 先日などは Arkonor(アーコナー。通称:あこたん)のサイトを掘っていました。
 Arkonorといったら、希少ミネラル Megacyteが大量に抽出されます。

 もはや(設計図さえあれば)怖いものなしです。

 さて、そんなわけでOPに戻ってみたところ、ちょうどいいタイミングで、採掘艦と装備一式が出来上がっているではありませんか!

 船を落とされるタイミングで、船が出来上がるなんて。
 日頃の行いが、よっぽどいいんじゃないでしょうか(皮肉ではありません)。

 どっちみち保険に掛けたって、たいしてもらえるとは思っていないので、保険もかけていませんし。
 保険代わりに、次の船を作っておこう! と思いました。
 なんといっても、今日は Bistot(ビストット。そのままでかわいいので通称はない)を掘りまくっているのです。



 設計図をロットに放り込んでしまえば……。

 ……あ。
 Mexallonが足りない。

(※Mexallon:HighSecでもポピュラーな比較的安いミネラル。ただし私の採掘エリアでは、どういうわけかほとんど採れないので、普段ならありえないような苦労をしている)

2013年6月11日火曜日

舟を編む。

 いいえ編みません。

 船は組み上げるのです。



 採掘していると、そりゃ当然、石が貯まります。
 HighSec採掘師の多くが、ほくほくと顔をほころばせる場面です。
 なぜなら HighSecにおいて、それはすなわちキャッシュ(ISK)を意味するから。

 では、Nullではどうなのか。

 この1週間ほど、ほとんど石を掘っていた。
 OutPostに貯まる、赤やら青の鉱石、鉱石、鉱石。
 HighSecで見かける「オイラ、ただの石ころだけんね」「べっつにそのへんにごろごろしてる、土くれみたいなもんだけんね」というような「雑魚感」もしくは「けんね感」はありません。
「あたしって、きらきらしてるもんね!」「美しいんだもんね!」というような、ホンモノの「鉱石感」「ホンモノ感」もしくは「もんね感」に満ちています。

 とくに私が敬愛しているのが Hemorphite(ヘモファイト)。通称、へもたん。
 私のいる場所で、唯一(微少ながら)Mexallonを抽出できる鉱石だ。

 きらびやかな鉱石を掘っていると、心なしか心が弾む心地がする。
 無理矢理「心」にこだわってみるあたり、私もいよいよ職人だと思う。
 今日から「匠(たくみ)」を自称しようか、と思うが自傷にもつながりかねないからやめておこうと思う。

 要するに、Null で鉱石を集めていると、こんな感じで頭の中がだんだん浮世から離れていくよ、ということです。



 いいえ、そんなことが言いたいのではありません。

 NullSecでは、石を貯めても、それはすなわちキャッシュになりません。
 まぁ、すぐにキャッシュになる Corp/Ally もしくは System/Regionもあるんでしょうけれど、少なくとも私のいる場所で、私にとってはそれはどこまでも石です。
 では早速溶かしましょう。だばー。

 はい、みなさんご存知、ミネラルが精錬されて出てきます。

 さて、HighSecにおいて、ミネラルもすなわちキャッシュになります。
 多くの HighSec採掘師が、溶かしスキルを身につけるのは至極道理にかなっています。
 一方 NullSecにおいて、ミネラルもすなわちキャッシュになることはありません。

 鉱石は鉱石。ミネラルはミネラル。ISKはISKです。
 それ以上でもそれ以下でもなく、飾らぬありのままの、そのものの本質をまざまざと味わうのです。
 これがZAZEN道です!

 とかエラソーに講釈垂れている場合ではありません。

 モノを作ったってどうせシャトルしか売れない(実体験中)ので、それならみんなが使うものをどんどん作ればいいんです。
 もちろんもちろん。
 そのつもりで私も設計図を持ち込んでいるわけです。望むところであり、魚心あれば水心であり、必要は発明の母であり、人生万事塞翁が馬であり、飛んで火にいる夏の虫なわけです。

 プローブ、プローブランチャ。
 お買い物用FG、サルベ用DD、サルベージャにトラクタビーム。
 各種コンテナとシャトルについては、いくつか作って同じ OutPostのお友達にあげちゃいました。
 いわゆる引越しのご挨拶みたいなものです。

 ついでに、HighSecで Vexor Navy Issue のBPCを買ってきたので、これを2隻作り、ひとつは依頼品のため売却しました。

 なのにまだまだ石があるんです。
 BCが組めそうです。
 すごいですねぇ。

 作っても作っても、ロットが足りないくらいの勢いです。
 もっとも、作っても作っても、買ってくれる人がいるわけもないので、私はちょっとしたバカみたいな感じです。

 宇宙の彼方でアホヅラして、家内制手工業で買い手もないのに船を作るんです。
 楽しければいいじゃないですか!

 いいんですいいんです。
 買ってくれるから作るんじゃないんです。作りたいから作ればいいんです。
 それがZAZEN道です!(もはやテキトー)

 で、そろそろリグを作りたいので、関係各所に(たまにサルベしてくれると嬉しいなぁ)と奥ゆかしく依頼をしておきました。
 Flat Sleeperの Office に大量のBPOがあるんだけど、リグ関係は主要なものしか持ってこなかったので、この問題をいずれクリアする必要がありそうです。

 Mayuki は FS社を離れる予定なので、すでに新しいCEOを立ててあるのですが、このCEOに持ってこさせるとか……。
 これって、ちょっとした横領でしょうか。
 というようなことを、堂々とブログに書いていいんでしょうか(笑)。

 ま、いいじゃないですか。
 これもきっとZAZEN道ですよ!(これはさすがに嘘)



 ちなみに、HighSec からこちらに来る準備で、T3を含め500mil程度の出費をしたのですが。
 こちらに来てから、HighSecの品物が売れたりした影響で、400mil前半ほど利益を出しました。
(純益とか利益率とか面倒なことは考えません)

 プレイ暦から考えると、私の現金資産はとても少ないですね!(今だに1Bilなんて持ってない)
 さすが、ZAZENの道を行くものは、清楚な暮らしをしているんだと思います。

 そんなことより、溶かしスキルばっかり覚える日々が、そろそろつらいです。
 本当に、なんでこんなに器用貧乏キャラなんだろう。

2013年6月8日土曜日

採掘中、NPCに襲われたときにあなたを救う3つ目の、ちょっと冴えないやり方。

 採掘をしていると、SLの低い場所であれば当然のように、賊がやってくる。
(※SL:Seculity Level。星系治安レベル。HighSec でも0.8以下からはアステロイドにNPCの敵がやってくる)
 Null とてそれはかわらない。
 ただ、私のいるこの場所にやってくるのは、海賊などではなく言葉も通じない Drone だということだ。

 採掘は順調に進み、私は Venture を自作して掘っていた。
 しかししばらく掘ってから「やっぱり採掘艦、買お」と思い、全部自作する夢は放り投げた。
 自作の夢を放り投げて、となりの OutPost に売っていた Retriever を買い込み、装備を買い込み、そしてふたたび採掘へ。

 途中で気が変わることは誰にだってある。
 大事なのはやりたいようにやることだと思う。
 それに私は Mexallon を大量に集める必要があるのだ。
 しかし、順調に掘り進めていると Drone の襲撃を受ける。
 そのたび、POSに避難して、攻撃艦に乗り換える、ということをしていた。

 けれども、NPCが襲ってきたとき、もしも私が逃げるより早く Scram を掛けられたらどうすればいいだろう。
(※Scram:スクラム。ワープ妨害装置 Warp Scrambler の略。ワープ妨害を受けると、当然ワープによる退避ができなくなる)

 私の採掘艦には、採掘用Drone しか積んでいないしなぁ。

 なんて思ってぼんやり掘っていたら、とうとうそんな場面に遭遇してしまいました。

 Rat は Scram 役の Spider Droneが2機。そして BSサイズの Droneが1機。
 あっさりスクラムを受けて、船はワープ機関を作動させられません。

 通常は、

1.ワープして攻撃艦に乗り換える。
2.攻撃用 Drone を使って、Scram 役を撃退する。

 の2つの方法を取るのが一般的です。
 しかし、第一の手段は Scram によって封じられています。
 第二の手段は、そもそも攻撃用 Drone を持っていないので、自分の手で封じています。

 反撃の手段が一切ないこの状況で、ぼんやりしていればBSに破壊されてしまうことは避けられません。
(ぼんやりしていなくても、手が出せません)

 そんなときの第3の手段。

 一番簡単なのは、仲間を呼ぶことです。
 しかし、私はこの星系にたった一人です。
 仲間を呼ぼうにも、人脈がありません。
 仮に呼んでも、到着する頃には船が消し炭になっていることでしょう。
 真雪でさえ、High でぷすぷすとくすぶっているのです。

 ECM や ECM Burst などを装備していたら、それを使うのもよいかもしれません。
 しかし、採掘艦にそんな余裕はありません。

 さても危機一髪。
 せっかく買った採掘艦は、このまま Drone の資材となってしまうのでしょうか。



[Answer]

 私は、船から、脱出しました。
 Podになって、POSに向かって急いでワープします。
(※NPCは、Podを攻撃してこないので、ことさら急ぐ必要はないかもしれません)
 そこで攻撃艦に乗り換えて、Scram ともども、Rat を殲滅します。

 おお。
 なんと簡単なのでしょう。

 こんなに簡単に Scram を無効にできるなら、これはいいかも、と思います。
 実際に、撃退したあとに採掘艦に乗りなおしたところ、ダメージはシールドの30%ほどでした。
 敵がよほど多くない限り、この方法で乗り切れそうです。

 ただ、当然ながら相手がPCの襲撃者の場合には、本当にトカゲの尻尾切りをしなくてはならないでしょう。
 Podもろとも破壊されるよりは、損害は軽く済むことでしょう。
(とくに時間的なロスが軽減されるのは大きいと私は考えます)

 いかがでしょう。

 Null での採掘が一人ぼっちでも、NPCが相手なら何も怖くないよね、というお話でした。



※なお、System 内に他のPCが存在する場合、当然ながら船を乗っ取られる危険があります。
 また、まともな PKerが相手であれば、対Pod攻撃の手段も持っていると考えたほうがよいでしょう。

(※PKer:Player Charactor Killer。NPCではなく、プレイヤの船とPodを沈めることを無上の喜びとする殺戮者たちの総称)

2013年5月31日金曜日

ZAZEN Girl

 採掘。

 それがどれほど堅実な職業であるか、Caldariのスクールを卒業したとき、教官も言っていたものだった。
「NPC Corp にほとんどコネクションもない皆さんがこれから旅立つ場所で……」とかなんとか言っていたのではなかっただろうか(←ぜんぜん覚えてないんじゃないか)。

 私は、これから乗る「訓練用ではない」船のことで頭がいっぱいで、教官のセリフなどほとんど聞き流していた。
 ただ漠然と、これから全然知らない人々のいる世界に放り出される不安と、自由にあちこちを飛び回る権利を手に入れた喜びを自分が感じていることはわかった。
 そのなかで、採掘はとても手堅い職業なのだというセリフが、宇宙に放り出されたちっぽけな私の耳の奥で、なにかの指針のように残っていた。

 スクールを出た私はしかし、HighSec のアステロイドベルトに出かけて、採掘の最中に Ratting の味を知る。
(※Ratting:アステロイドベルトなどに、ランダムに現れるNPC海賊を退治すること。たいてい CONCORDから賞金が設定されているため、ささやかなおこづかいが稼げる)

 スクールの卒業祝いのごとくに与えられたDDの豊富な High Slotに武装と採掘装備とを搭載し、掘っては現れた海賊を Rattingしていた頃を、微笑ましく思い出す。
 満杯に集まった鉱石とLoot品をステーションに置いて、整頓する時間も惜しんでふたたびステーションから飛び出す日々。
 寝る間が惜しくて、IDSで大きい(ように見えているだけのことも多い)アステロイドに突進し、採掘機を作動させて眠ることもあった。

 やがて集まったものを売りさばくのに適切な場所について、もっといいところがあるのではないかと考え、最大の商都、Jitaを知り、そこにある圧倒的な商品の数々と取引の量に驚く。
 右も左も分からないまま、行商する冒険行を楽しむことを決めたのは、そのときだっただろうか。

 IDSで Ratting はさすがに無理だ。
 だから、私にとってあの頃、一番ステキな船はDDで、それさえあれば、どこまでも行けると思っていたし、どんなことだってできると思っていた。



 今、私が棲んでいる System は、たまに友人がやってきて(私のために、隠れたアステロイドベルトがないか調べてもらっている)、ごくまれにどこかからの旅人が通りかかり(どこへ行くものかも知れず)、そして野生化したDroneが、宇宙の海溝のような、いずことも知れぬ場所からやってくる。

 そして、それ以外は誰もいない。
 このだだっ広い星系で、私はたったひとり、何時間もアステロイドの鉱石に向き合っている。

 その宇宙はとても静かだ。

 孤独が主成分であるかのようなPodの溶液は私の肌と溶け合い、神経接続プラグを通じて宇宙がどれほど寂寞としているのかを教えてくれる。
 Mission地にサルベ泥棒が来ていた頃を思い出し、苦笑いをする。
 こんな場所ではさすがのPodパイロットでも人恋しくなる者が多いのではないだろうか。

 孤独に耐えられないもの。
 沈黙を守れないもの。
 静寂につぶされてしまうもの。

 Podパイロットといえども人間だから、心があって、孤独を好むものもあれば、そうでないものもあるのは当然のこと。

 あるものは仲間を作り、あるものは定住して根を張り、あるものは声を発することで、己の存在を誇示する。
「私はここにいる」「私は役に立てる」「私はこれほどすぐれている」と。

 この場所で、採掘機を回していると、もう、そんな世俗のことはどうでもいいような気持ちにさえなる。
 私を包むのは孤独に濡らす羊水だけだし、私の口から発せられるのは沈黙だけだし、私の耳に届くのは静寂だけだ。
 私がここにいてもいなくても世界には何も影響などなくて。
 それはまるでオールドアースの古い科学モデルに登場する、密閉されている毒箱に閉じ込められた猫(※)のように、観察者の存在によってのみ意味を成すのかもしれない。

 それはそれで、とても美しくて素敵だ、と私は思う。
 うっとりとする。
 孤独は甘美だ。沈黙は優美だ。静寂は耽美に私を誘う。
 孤雁であることが弱さであり、それに酔うことが毒ならば、私はその翼もろともどっぷりと毒に浸かっている。



 ふと、High Secにいたころ、JPCHでのやりとりにあった言葉を思い出す。
「そこに岩があるから掘るのだ」と、血気盛んな採掘師たちは言っていたものだ。
 System でたったひとり、目の前に岩があって、それに採掘ビームを当てている最中、私は思う。
 その思いや感覚は、なんというか、うまく言葉では言い表せない。

 ここは Null Secで。私は他人の血を流すためにここにいるわけではない。
 だからといって、お金のため、生活のためにここにいるのだろうか。
 そんなこともない。
 ここでは、どんなに高額のキャッシュも、たいした意味を持たない。
 やりとりされている物品は限定的で、自慢をする相手もいない。

 私と、宇宙があって、そこに岩があって、私はまるで宇宙と対話するように、岩を掘っている。
 
 エージェントからミッションを受けていた私は、心のどこかで採掘師たちを馬鹿にしていたのだと反省する。
 ただただ岩を掘って売ることの、無味乾燥なありようを、無意味で無価値だと心のどこかで嘲っていた。
 それを反省している。

 採掘は(Droneのような邪魔が現れなければ)ザゼン文化にも似ていて、私はそこで、己自身と向き合うことができた。
 彼らが採掘に惹かれるのは、この感覚がためだろうかと思う。
 もちろん、それを尋ねようにも、ここはあまりに孤独な宇宙なのだけれど。



 そのようなわけで、採掘を開始しました。

 EFTで確認すると、T3とVentureの採掘能力はさほど変わりません。
(Miner1つあたりの採掘能力はまったく別物ですが)
 ところが、Ratが問題です。
 Drone BS などが普通に飛んでくることがあります。

 しかし、船の装備を変えようにも、それができる場所は2ジャンプ先の星系。
 装備を変えて戻ってくる頃には、Ratがいなくなっているどころか、新しいRatになっている可能性さえあります。
(結果オーライとはこのことですね)

 ところが運良く、先住の友人に、BCを貸してもらうことができました。
 それも私の好きなブラスタ艦 Brutix です。
 実際に、BSクラスに攻撃をしてみたのですが、T3のMultifrequencyレンズを装着したパルスレーザより高い効果を発揮しています。
 やっぱり Legion は残念な子だったのかぁ。。。 と苦い思いを噛み締めました。

 しかし、ここは Nullです。
 弾薬を消費しても、それは容易に供給されるものではないのです。

 なのでふたたびEFTとにらめっこです。
 Brutix を採掘艦にして、Legion をRat用にして、宇宙空間に浮かべておいて、必要に応じて乗り換えればいいじゃない!
(※人の多い星系でこんなことをすると、浮かべてある船を盗まれるのでやめましょう)
 採掘能力もなかなかいい感じ、積載量も、Legionよりぐっと上がります。

 しかし、Jet堀をするにしても、IDSが欲しいところです。
 もちろん、BPCは持って来ていますが、そのIDSを作るためのミネラルがありません。

 ミネラルを集めるために掘るのですが、掘るための採掘艦を作るためのミネラルを作るための鉱石を掘っていて、その採掘艦を作るためのミネラルを集めるために掘っている鉱石を入れるためのIDSが作りたくて、そのIDSを作るためのミネラルがないからミネラルを集めるために鉱石を掘るための採掘艦を作るために掘っている鉱石を運ぶためのIDSを作るためのミネラルを作るために掘っている鉱石を運ぶためのIDSを作るためのミネラルが欲しいのです。
(禅問答か!)

 だめです。
 建設業がいきなり破綻しました。

 ああ。

 Null Secまできて、まさかまさかのIDSに泣かされようとは、いったい誰が想像したでしょう。
 ここはほんとうにへんぴな場所で、IDSはおろか、シャトルすらまともに売っている場所まで10ジャンプ以上移動しなくてはなりません。
(道中が安全であるかどうかなんて、昨日来たばかりの私に分かるはずもありません)

 と、逡巡するより早く、IDSがちょう最寄りのマーケットに現れました。
 私がFitを変更している、屋台みたいな、ちいさいステーションです。
 どのくらい小さいかというと、オールドアースにあったという「街のホッとステーション」程度の規模だなぁ、って感じです。
 ぜんぜん分からないたとえ話なんかはほうっておいて、とにかく、IDSが2隻、売りに出されているんです。
 とりあえず買いですよ買い! 値段だって、まっとうな値段です。買いですよ、買い!

 そのようなわけで、慌てて買い付けを成立させました。
 どうやら、WHとかから流れ出てくる人が、ときおりそうした「行商」をしているかもしれないそうです。

 当然、彼らは Blue じゃないわけですから、私たちに見つかれば撃たれるわけです。
 なんか行商しているハン・ソロ船長のようで素敵だなぁ、って思いました。
(※ハン・ソロ船長:オールドアースの2Dシネマに登場する、宇宙船パイロット。かっこいいです)

 これでIDSが手に入り、私の思い描いた建設業が、自己ループで破綻することなく、軌道に乗ることが可能になったのです。

 ログインしてから寝るまでずーっと掘っては石を運んで、とりあえずメンバから注文を受けている電気ミサイルと殴りブラスタ弾薬の製造を開始しました。
 「街のホッとステーション」の製造ロットはたったの2つ。
 ええ、これだけ作ったら、ほかには何も作れないので、安心して眠れます。

 採掘初日(移住2日目)から弾薬製造。

 シャトルもないようなこの場所で、いろいろ作ってはぼったくり価格で売りつけようと思います。



 ちなみに。
 Ratによる収益が10milほどありました。
 採掘できた鉱石は、推定価格で10milを切っています。

 Nullが儲かる、なんて、あなたはどこかで聞いたことがあるかもしれません。
 だからうちのCorpにおいでよ! なんて甘い誘いを受けたこともあるかもしれません。

 そんなのは嘘っぱちです! ただの詐欺ですよ、詐欺!

 お金を稼ぐなら HighSec のほうがよほど儲かります。
 なんなら Kamikazeでもすれば、一攫千金の夢もあります。

 こんなところで散々掘っても、HighSecでミッションしていた頃の足元にも及びません。
 RatでBSが出てきて、うかうか居眠りもできません。

 でも、お金なんかどうでもいい楽しさがあります。
 ISK が儲かる自慢とか、資産自慢、高級Fit自慢をしていた自分とはサヨウナラです。
 私は孤独に採掘し、ひっそり精錬し、シャトルやT1品を製造し、ぼったくり価格で売ることに喜びを感じる生産商人になったのです。

 誰かの作ったレールに乗って大富豪になるくらいなら、レールも何もない場所で貧乏人のままレールを作りたいです。
(でもでも、HighSecに戻ったら、モノより思い出より、お金が欲しいです)

 掘って、Ratを撃退して、精錬して、生産する。
 器用貧乏キャラで、本当に良かったと、心から思います。
 この場所でT2生産できる日が来るように、その設計図を思い描きながら、明日も掘ろうと思います。



 あと、High でくすぶってる真雪を、早いところ連れて来ようと思います。
(ひとつの船(できればT3)に、ふたつのPodを搭載できるなら、真雪と一緒に移動ができていいのに)



(※「密閉されている毒箱に閉じ込められた猫」:おそらく量子力学と呼ばれた科学系統の概念モデルに登場する、世にも不可解な存在として名を馳せた猫のことだろう)

2013年5月30日木曜日

静かのNullではT3で採掘を。

 このところ、IRLが繁忙で、なかなか更新ができずにいた。
(「あなたのタレットがイマイチなときに試す10のこと」とか「Mercenary と Drone の属性がわからない」とか「それでもやっぱりProteus」とか、タイトルばかりは作っていたけれど)

 Corp の資産が無駄に貯まったこともあり、ひとまず真雪を残して、Corp を脱退、Null へ旅立つことを決めた。

 決めた、のだけれど。

 センセー、Null って何があればいいのか、ぜんぜんわかりませ~ん。

 というわけで、いつものとおり特に情報を集めることなく、自分なりにいろいろ考えることにしました。


 最近はBPOの研究などでLowを飛ぶときはインタセプタを多用しています。
 だって、速いし。
 回頭からワープインまでも早いし、Low Slotの豊富な船なら(私は Gallente製を愛用しています)いろいろ積むことができますから便利です。

 でも、これだと仮に Null まで行けても、それだけになりそうです。

 そうなると、やっぱりT3です。

 Loki は乗れば乗るほど攻守バランスが優れていて、これはすごいな、と思うようになりました。
(それでもやっぱり、ちょっと不器用な Proteus が一番好きです)

 なのでそれで旅立とうとも思ったのですが、風の噂ではなにやら「弾薬調達がけっこう大変」とか。
 それに、追加の風の噂では「NPCは Rogue Droneばっかり」とも。

 こうなると、白羽の矢が立てられるのは、アイツですね。
 ええ。
 買ってすぐに(これは使えんなぁ)と思って手放した、Amarr のT3、Legion です。

 基本防御属性も、対Droneにはまずまずのはず。

 戦闘用のFitをまずはEFTで構築して、つぎはNull移動用のFitを考えます。
 当然、Null ですから Bubble(Warp Disruption Field)対策をしなくてはならないでしょう。
 ようやく推進系サブシステムでいままでろくに陽の当たらなかったものが活躍しそうです。


(※Warp Disruption Field とは、Sec Lv 0.0 以下で使用可能な、ワープ妨害フィールド発生装置のこと。
  妨害強度は100で、実質、一度入ったら逃げる術がなくなってしまいます。
  外見がシャボン玉のように見えることから、Bubble の通称が付いたようですが、その凶暴さと絶望感は計り知れません。)

 続いて、弾薬からなにからを現地生産するための足がかりが必要です。
 とりあえず弾薬とCL程度までのT1艦船BPCをかき集めて積み込みます。
 弾薬を持っていく必要がないので、カーゴは余裕がたっぷりです。

 それと生産のためのミネラル。
 相手が Rogue Drone ということは、きっと昔のように Drone Mineral なんて落としてくれないでしょう。
 そうなると、もう、自分で掘るしかありません。

 そういうわけで、まずはT3で採掘するためのFitを考えて、それで Ventureを作り、Ventureで、今度は Mining Barge の材料を掘ろう、と考えました。

 このステキアイディアを、FS Public CH で発表したところ「建設業か!」という適切なツッコミをいただきました。
 ありがとうございます。

 当然ながら、Strip Minerも大きくて持ち運べないので、生産する必要が出るでしょう。
 ちょうど、今はアクティブじゃない Corp メンバが「つららさん、いる?」といってプレゼントしてくれたBPOがありました。
 Corp に立ち寄ると、私の作ったT1/T2BPCもたくさんあったので、それもごそごそとかき集めて。



 こうして、Legion は私の中でふたたび脚光を浴び「戦闘/採掘/移動」の三要件を果たす Fit を考案し、「これでいいんじゃないかなぁ?」的装備をかき集めて、旅立ちました。

 もう、遠足の前日のようにワクワクです。

 が、ちょっぴりコワい気持ちもあるので、学習用インプラントのみの個体に身体を変えて、ちょうどそのへんのコンテナにMレーザタレット用のインプラントが転がっていたのでそれを差して、準備完了です。

 ところがここで、私がT2Mサイズレーザを使えないという事実が分かったのですが、まぁそんなのはあとからどうにでもなるでしょう。



 そんなわけで、幾多の Bubble を見ては悲鳴をあげ、ゲートに群がる BS Rogue Drone に恐怖しつつ、指示された Null 拠点へやってきました。

 しかし今回は、そこでおしまいなのです。

 次回からは、ドキドキ採掘生活をレポートしたいと思います。

2013年5月8日水曜日

Lokiに乗ってみた。

 スクールを出て間もない頃、各国のDDを乗っていたことがある。
 以来、Minmatar の船とはあまり縁がなかった。
 火薬砲の弾薬は、クセが強くて、なんだかなじめなかったのだ。
(火薬砲弾薬の特徴については、下記リンクを参照)
参考URL:http://wikiwiki.jp/eveonlinejp/?System%2FWeapon%2FProjectile%20Turret#s5827c8b

 いよいよ本格的に乗り出す、初めてのMinmatar船がT3CLっていうのは、はたしてどうなの? と、自分でも思うのだけれど、まぁ、BSには乗りたくないし、HASでお茶を濁しても他国のT3をメインに乗っている以上、比較するのは間違いだし、というわけで、T3。

 それにしてもこのLoki、他国のT3と比較しても構成が複雑です。

 その筆頭ともいえるのが Defensive System。
 Armor防御と Shield防御それぞれに適合するものがあります。
(他国にはそんなダブルスタンダードは許されていません)

 そして信号サイズを小さくするものも Minmatar だけです。

 もっとも Offensive System は、タレットとランチャとドロンが使えたりするので、器用貧乏どんと来い! というフトコロの深さも見えます。
(もっとも、DPS重視なら AutoCannonのみ詰め込むのが良いようですが)



 ここで武装構成のアウトラインを考えてみました。

 話がいきなり飛ぶのですが、いずれのT2/T3 Ship も、T1 Ship とは異なるベース防御属性を持っています。

 たとえば、Amarr は、ExpとKin(特に Exp)に高い属性防御をデフォルトで持っています。
 Caldari は、Thermと Kin(特に Therm)。
 Gallente は、Kinと Therm(特に Kin)。
 Minmatar は、EMと Therm(特に EM)。
 といった具合にそれぞれ、通常の属性耐性とは別に、特化された防御属性があります。
(これはストーリィ上の、敵対国家の攻撃特性に符合します)

 特徴を持たされていない2属性(Amarr でいえば、EM/Therm)は、ベースとなる Armor と Shield の防御属性のそれを継承するため、たとえば EM/Therm に対してもともと耐性を持っている Armor 防御をする場合、弱点である Exp/Kin 属性を強化される Amarr は、すべての属性に対して高い耐性を持つことになります。

 その意味で Caldariも、Gallenteも「ちょっとやりづらい感」は否めませんが、弱点属性がはっきりしているぶん、全属性防御の方向性は明確になります。
(いずれの場合でも、全属性の耐性を高めようとすればするほど特定の属性が手薄になるのですが、それについては今回は説明しませんので、お急ぎの方はPvP経験の豊富な方にお尋ねください。)



 なんでこんな話をしているのかというと、Minmatar のT2/T3では、Shield 防御をするメリットは高いものの、Armor 防御をしても Exp/Kin の弱点は何も補われないということなのです。
 つまり、Armor防御用の Subsystemは、EM/Therm防御に特化する目的のときのみ最大の効果を発揮し、それ以外のときは Shield防御のほうが無難、という結論に至ります。

(もっと正直に言ってしまうと、DED品を使う財力があるならば、Armor防御はちょっとしたおまけ程度になってしまうかもしれません)

 ところが、Shield防御を利用しようと思うと、Med に搭載するモジュールが防御と推進系モジュールだけで手一杯になってしまいます。
 Webを積みたい! Tracking Computerを積みたい! と思っても、防御を削るよりなくなってしまいます。

 仮にArmor 防御で適合する相手(NPCだと Sansha や Blood ですね)だったとしても、今度はDPSが伸び悩みます。

 Low Slot はというと、Offensive System にもよるものの、Gyrostabilizer(火薬砲の威力と速射力を向上させるモジュール)を積めば積むほどDPSが上がるので、ついついそちらに目が行ってしまいます。
 Tracking Enhancer(射程とトラッキングを向上させるモジュール)と見比べながら「まぁ、いいじゃないですか、どうせ近づいて殴るんでしょう(笑)」という気持ちになってしまうほど。

 しかしインプラントを特化して組み込んでも、Fac品を容赦なく使っても、数値上のDPSは Proteus にはかないません。
(EFTすると分かりますが Proteusの場合、Droneも含めると最高で900を突破するはずです。
 まぁ、その Proteus をしても 1vs1でフル装備のTengu を撃破するのは、困難な可能性が高いのですが)

 もっとも、Lokiは弾薬を変更することで属性を選べるので、立ち回りが自由なのは魅力です。
 


 それでも、なんだかモヤモヤしてくる感じは否めません。
 たとえば Electronics System には、Web の距離を延長してくれるものがあり、最大で150%も延長されることになります(合計250%)。
 T2装備でも25km、Fac品(Fed NAVY 製だったかなぁ)だと、35kmにもなるわけです。
 搭載している AutoCannon の射程外ですよ!

 と、そんな素敵な SubSystemですが、搭載するには Armor 防御をするか、Shield 防御をちょっと落とすしかありません。
 遠距離砲を使う方ならよいと思いますが、AutoCannon で弾をばら撒きたいという私には結局無意味です。
 また、せっかく「タレットもミサイルもドロンも」という構成が出来るのに、DPSで考えると、タレット特化でそろえたほうが良い結果になるのもちょっと悲しい結末でした。

 あと、外見!

Loki Defensive - Adaptive Shielding
Loki Electronics - Tactical Targeting Network
Loki Engineering - Augmented Capacitor Reservoir
Loki Offensive - Turret Concurrence Registry
Loki Propulsion - Chassis Optimization

 DPSと速度を重視して、こんな構成で使っているんですが、機体が穴だらけです!(笑)

 今回の新しいパッチで、機体表面の錆び(皮膜?)の色合いが、すごく良くなったので、Minmatar艦好きの人は見てみるだけでも楽しめるのではないでしょうか。

 私は移動速度の速さと、選択可能な攻撃属性が気に入って、使い続けています。
 Shield 防御にしているため、Tracking Computer が搭載できないのはつらいところですが、ひとつだけ装備できるランチャーハードポイントにロケットランチャを装備して、小型機の対応に当てています。
(どうせオマケみたいなランチャですから、ディフェンダミサイル装備でもいいのかもしれませんね)



 というわけで、4ヶ国すべてのT3に乗ることが出来ました。
 それぞれ、外観も特徴も個性的で、甲乙つけがたいものがあります。
 
 乗ってみて思ったのですが、一番使いやすかったのは、やっぱり天下の Tengu でした。
 Mission によし、探索によし、PvPでも安定した性能を発揮するのではないでしょうか。
 個人的には、小型機の掃討に不向きなことや、ミサイルの性質上どうしてもムダ弾が出てしまうのが好きになれなかった要因です。
(防御の堅いブラスタ艦としての運用は楽しかったですが、ブラスタを撃つならやっぱり Proteus がダントツですよね!)
 だけど、HAMを大量に吐き出すのは楽しかった!

 Legion は、レーザタレットがメインになってしまうのが PvEではネックでした。
 PvEだとHAMも無難な選択肢ですが、ミサイルをより得意としているのは Tengu であることはいうまでもありません。
 PvPであれば、シールド艦に対してかなり優位な船なのかなぁ、と思いますが、やったことはないので断定できませんね(苦笑)。
 防御性能は全属性防御でも申し分ないものでしたが、個人的には速度がもうちょっと欲しいですね。

 Proteus は(誰がなんと言おうと)とりあえず大好きです。
 ブラスタの高火力も、MWDの使用を前提にした Subsystem も、カラーリングとパイプのテクスチャも大好きです。
 大型機の外装をごしごしと削り落とすのは快感ですし、小型機も(たとえ相手が Spider Droneだとしても、お金に糸目さえつけなければ)ほとんど瞬殺です。
 防御が脆いため、Angel や Sansha / Blood 相手で苦戦することもしばしばですが、これほど「近づいて殴る」ことの快感を体現してくれる船は少ない気もします。

 Loki は、外見を気にしなければいい船です(ひどい言いよう)。
 さまざまな特性を凝縮したための器用貧乏な感は否定できず、特化しようにもFitに余裕を見出せないのはつらいところですが、全属性防御も可能で、攻撃属性も思い通り。
 突出した部分がないかわりに、ひどい弱点もありません(外見くらいのもので)。
 当たり前のように速度は4種類の中でもダントツで、タレットなので小型艦の駆逐もしやすく、非常にバランスの良い機体だと感じます(外見以外は)。

2013年4月14日日曜日

電気が足りない。

 まるでプレイを始めて2ヶ月の新人パイロットみたいな所感なのですが、Proteusに乗っていて、いつになくそう感じた。

 関連スキルの多くを出来る限り延ばしてきたので(そろそろ頭打ちか)とも思ったのですが、よくよく考えるとキャパシタリチャージのインプラントを外して、アーマリペアのものにしちゃった上、Rig もひとつリペア系に変えてしまったのが影響している。
 しかもいずれも、リペアアクセラレータ(サイクル短縮)。
 これではキャパシタも足りなくなるというものだ。

 もちろんブラスタを撃たなければ Stable するのだけれど、うっかりMWDを切り忘れて長時間同時稼動していれば、ピーピーとキャパシタピープ音が鳴る始末。

 私自身、スキルのことでも忘れている部分があるので、ここはキャパシタ向上についておさらいしておきましょう。



 まずはスキルから。

Energy Management(エネルギー管理)
  :Engineernig(電気工学)属

 キャパシタ容量を5%アップさせる、基本スキルのひとつですね。
 それでも私、1年くらいは Lv4 止まりでプレイしていました。
 

Energy System Operation(エネルギーシステムオペレーション)
  :Engineernig(電気工学)属

 キャパシタ回復力を5%アップさせる基本スキル。
 前述の Energy Management よりは上げやすいですが、やっぱり Lv4 止まりの時期が長かったです。



 とりあえず上記ふたつのスキルが Lv5 になると、それだけで安定度が格段に上がります。
 続いて、基本的なモジュール系スキルを見てみましょう。
(Fleet で使う僚機リペア/能力上昇系、PvP で使われる妨害系などについては記載していませんので、各自勉強してみてください)



Shield Compensation(シールドコンペンセイション)
  :Engineering(電気工学)属

 シールドブースタの消費キャパシタを2%軽減させます。
「2%? そんなのいらないよ! 機械のカラダなんていらないよ!」と思う星野鉄郎もいると思いますが、ネタが古すぎて理解できない人のほうが多い気がして心配です。
 それでもシールドブースタはキャパシタを大食いしますから、地味に効くスキルなのではないでしょうか。
 もちろん、アーマ防御しかしない人には不要なスキルですし、あなたが星野鉄郎なら、まず必要ないスキルでしょう。

Controlled Bursts(バースト制御)
  :Gunnery(ガンナリー)属

 タレットの消費キャパシタを5%減少させるスキル。
 レーザタレットでは必須ともいえるスキルです。
 また、長距離/短距離特化型の弾薬を Hybrid Turret(ブラスタ/レイルガン)で使う場合も、消費キャパシタ上昇が足を引っ張るので、地味に効果を発揮します。
 逆に、ミサイル使いや、火薬砲、ドロンを主力で戦闘するパイロットには無用のスキルです。

Warp Drive Operation(ワープドライブオペレーション)
  :Navigation(航行技術)属

 ワープ開始に必要なキャパシタを10%軽減できるスキル。
 移動のためのスキルですから、最初の頃はゲートからゲートに飛ぶ際、たまにキャパシタが切れるのを防ぐ程度だと思っていました。
 しかし、大型戦闘艦に乗るようになってこのスキルが不足している場合、ちょっとした「事故」が起こるようになります。
 攻撃を受けながら緊急退避を余儀なくされる場合など、大型艦になればワープ開始までの待ち時間は長くなります。
 リペアが間に合わずダメージが蓄積した状態で退避を決定したのに、ワープドライブがキャパシタを枯渇させてしまったら、ワープ開始までの数秒(長いと十数秒?)、リペアもなし、ハードナも稼動できない状態で、ワープアウトするのを待つわけです。
 このときの緊張感といったらありません。

 実際に、ワープアウトするまでの間に撃破されるとは限りませんが、私は2度くらいは経験している気がします。
 非常に地味なスキルですが、BS以上の大型艦で戦闘される方は、Lv4 くらいを目指して損はないはずです。

Fuel conservation(燃料管理技術)
  :Navigation(航行技術)属

 アフターバーナの消費キャパシタを10%軽減してくれる、偉大なスキル。
 MWDを使うなんてもってのほかだった頃には、なによりもありがたみを感じていたスキルです。
 アフターバーナは常時稼動でも船体信号サイズに影響しないため、できることなら常時稼動したいのですが、スキルが育たないうちはどうしても稼動/停止しないとキャパシタが枯渇しがちです。
 このスキルがあれば、アフターバーナによる影響を小さく出来るので、とてもありがたいのです。

High Speed Maneuvering(高速操作)
  :Navigation(航行技術)属

 MWDの消費キャパシタを5%軽減してくれる、まぁ悪くない気もしないでもないスキル。
 まるで失言を恐れる政治家のような言い回しですが、MWDのキャパシタ消費は非常に大きいので、5%といえども Lv4くらいになると、時間的に結構な余裕が生まれると思います。
 もっともMWDを装備すると、キャパシタ容量が減少してしまうため、そのあたりも何とかしないとならないのですが……。




 続いて、主要なインプラントを見てみましょう。
 これ以外にも、上記のスキルと同様のさまざまな補助インプラントが存在しています。


Genolution CA シリーズ
 Genolution CAシリーズは、記念配布インプラントです。
 スロットに対応するキャラクタの能力ポイントが3ポイント上昇するほか、船体の基本能力にボーナスがあります。
 比較的安価で取引されていますが、あえてこれを選ぶ必要はあまり感じません。

Genolution Core Augmentation CA-1(Slot:01)
 Capacitor 1.5% , PowerGrid 1.5% のボーナス。
 後述の CA-2 とセットにすることで、それぞれのボーナスが1.5倍になります。

Genolution Core Augmentation CA-2(Slot:04)
 Capacitor Recharge Rate -1.5% , CPU 1.5% のボーナス。
 前述の CA-1 とセットにすることでボーナスが1.5倍に。


Zor's Custom Navigation Link(Slot:07)
 Zor's シリーズの安いほうです。
 わざわざ取り上げることもないのかもしれませんが、非常に安値で初心者にも装備しやすいインプラントです。
 同じ Corp のミッションランナに声をかければ、ただでひとつくらいもらえるでしょう。
 アフターバーナの起動時間を10%延長してくれます。
 非常に地味な効果ですが、1サイクルの時間が上昇すれば相対的にキャパシタの消費を抑えることが出来ます。
 
Inherent Implants 'Squire' Energy System Operation EO-60x シリーズ(Slot:06)

 キャパシタ回復力を上昇させるインプラントです。
 EO-605 を装着したいところですが、それなりの値段です。

Inherent Implants 'Squire' Energy Management EM-80x シリーズ(Slot:08)

 キャパシタ容量を上昇させるインプラントです。





 最後に、モジュール/リグです。
 ベテランパイロットならこれらの特性をすでにご存知と思いますが、学校を卒業したての頃は、いくつもあるこれらのモジュールの差が私にはさっぱり分かりませんでした。

Capacitor Rechargers:(Med Slot)[Passive]
  キャパシタの回復力を上昇させます。
 ペナルティもなく使いやすい電力系モジュールです。

Capacitor Power Relays:(Low Slot)[Passive]
  Shield Booster を利用したシールド回復力にペナルティが発生しますが、高い能力を持ちます。
(Armor防御はもちろん、Passive Shield防御の場合も影響ありません)
 Armor防御、Passive Shield防御に適しています。

Capacitor Flux Coils:(Low Slot)[Passive]
  キャパシタの容量が減少するペナルティがありますが、Shield Booster 回復力には影響しません。
(Passive Shield も影響はありませんが、上述の Power Relay のほうが発電能力が優秀なので、あえてこちらを選択する理由はないでしょう)
 Active Shield防御に適しています。

Capacitor Batteries:(Med Slot)[Passive]
  キャパシタ容量を定数で上昇させます。
 船体スペックやパイロットの能力にもよりますが、容量を増やすよりも回復力を上昇させるほうが、安定効率が高い場合が多いようです。
 定数で容量が増えるため、MWD装備の場合は有利なこともあるかもしれません。
 いくつかのサイズが存在しています。

Capacitor Boosters:(Med Slot)[Active]
  キャパシタ残量を、チャージ(弾薬のような使い捨て電池)を利用して回復させます。
  チャージが物理的に大きいのが難点で、短期決戦に向いているため、PvE で使うケースは稀です。

Capacitor Control Circuit:(Rig Slot)
  通称CCC。キャパシタの回復力を上昇させるリグです。
 艦船サイズごとに適合する S/M/L 3つのサイズがあります。

Semiconductor Memory Cell:(Rig Slot)
  キャパシタ容量をパーセンテージで上昇させるリグです。
 艦船サイズごとに適合する S/M/L 3つのサイズがあります。

  一般的に、CCC を装備したほうが回復効率が高く、安定しやすい傾向にあります。

Power Diagnostic Systems:(Low Slot)[Passive]
  キャパシタはもちろん、PG や Shield 性能も上昇させる装置です。
 汎用性は高いものの、専用モジュールに比べると見劣りします。
 Shield防御の場合は一考の価値がありますが、Armor防御の場合はまず出番がありません。






 ソロプレイの場合は、だいたい以上でしょうか。

 Fleet の場合は、他の艦船に対して各種補充を行ったり、そのためのモジュールの消費電力軽減スキルやらインプラントやらがあったりするのですが、そのあたりは割愛しています。

 とくに初期の頃は、電力系のスキルだけに割り振って先に上げてもあまり意味がありません。
 いろんなスキルやモジュールを組み合わせて、せめて30分くらいは継続運用できる余裕が欲しいものです。

 ちなみに私の Proteus ですが。
 Rig を交換してMWDのスキルを上げて、10分くらいは安定稼動するようになりましたとさ。

2013年4月7日日曜日

ブラスタ弾薬の属性?

 スキル数が280を超えた。
 器用貧乏を自負する私にとっては、やっとある程度は思うようになった、というところだろうか。
 ロスなし溶かしもお手のもの。だけど、T2CLは生産できないのでした。

 先日は真雪もT2生産を覚えたので、二人だけでも Corp の生産ロットを10以上稼動させ続けている。
 真雪は開発系やR&Dのスキルも覚え始めたので、順次上げてゆくことになるだろう。
(開発系はすべてのスキルをL4にするだけで2ヶ月くらいかかった気がするから、まずは基本から、である。



 Gallente に渡ったはいいのだけれど、いまだにこの星域では土地勘が働かない。
 ちょっとゲートを渡ると Region が異なっていて慌てることも少なくない。
 まぁ、Office がイナカにあるのが悪いのだけれど。

 しばらくあちこち渡り歩いているうちに、不都合が発生した。
 つららの Gallente ST が 6くらいになり、真雪の Caldari ST が6くらいになってしまったのである。
 相対的に、つららは Caldari ST が4程度、真雪の Gallente ST は 2程度しかない。

 慌てて引き受ける Corp を限定しているのだけれど、これが地味に厄介だ。
 厄介になったら引っ越すのが基本なので、そろそろこの星域からは移動したほうがよいのかもしれない。

>>>

 以前から少々気になっていたことがある。
 一部の NPC海賊には、T2弾より Fac弾の方が有効に思えることがある。

 しかしブラスタというのは周知の通り基本的に弾薬属性を選ぶことができない。
 Kin 属性と Therm 属性。それだけだ。

 Fac 弾薬によって威力を上げることも可能だけれど、その属性には変化がない。
 T2も同様。EMや EXP属性がそこに含まれることはない。
 だから私は、総ダメージの大きい弾薬こそ正義! くらいの勢いで、大型艦相手には Void弾を愛用していた。

 にもかかわらず NPC海賊を相手に戦闘しているとき、ダメージの具合が若干違うように感じられるのだ。



 結論からいうと、至近戦闘における Void 弾の必要性は、実はあまりなかった。
 対 Sansha、Blood、Rogue Drone BS、Mercenaries、Serpentis このくらいだろう。
(小型艦は Fac 弾薬のほうがトラッキングペナルティが少なく当てやすいけれど)

 そうなると、残りのほとんどの NPC 海賊に対しては、T2弾薬よりも Fac Antimattar弾のほうが有効ということになる。
(特に Guristas、Angel は、Void よりも Fac Antimatter のほうがよいみたい)

 本当だろうか。
 まず、私のよく使う2つの弾薬を見てみよう。
 Void MNavy Antimattar

 ぱっと見たときの総ダメージは Void M が上。
 Opt Range のペナルティは、Void が -25% に対し、Antimattar は-50% 。
 しかし、Void M は Falloff も -50% になる。
 結果、Opt Range が広く、減衰せずにダメージを与えられる範囲が広くなるかわりに、合計射程は短くなるという特性がある。
 また Tracking ペナルティも -25% あるため、Void 弾は小型艦や高速艦には向かない。

 そして属性。

 なんと Kin 属性に限って言えば、Fac弾の方が高いのである。
 Void 弾は、Therm が大幅に上がっている代わりに、Kin がちょっと下がっている。

 よって、Kin / Exp 属性を弱点とする敵は Fac Antimattar を、EM / Therm 属性を弱点とする敵は Void を使うほうがより適切だったのだ。

 ブラスタ艦に乗り、Void 弾も使えるようになって1年以上経つが、その事実に、昨日気がついた。
 なんということだろう。
 それまでたいして気にせず Void弾を撃っていたし、Office でも大量の生産在庫を抱えている。

 もっとも、Void 弾を装填したときに表示される DPSこそ、私たちブラスタ使いの心に火を灯すのだけれど。

>>>

 最近、ふたたび Proteus に乗るようになった。
 もちろん Tengu は素晴らしい船だ。
 上位 DED 品をそろえる財力とそれを使いこなすスキル、能力を過信せず適切に運用する経験があれば、たしかに最強のミッション艦にさえ感じる。
 弾薬切り替えで完全に選択可能な攻撃属性。
 特定属性の防御に特化された一般的なT2/T3さえ圧倒する、汎用性と堅牢さを兼ね備えた防御能力。
(そしてまぁ、そこそこの巡航速度など)

 けれど、小型艦の処理についてはHAMと比べても、ブラスタが圧倒的に有利だ。
 インプラントを挿しても、Web とターゲットペインタを併用しても、トラッキングコンピュータを利用したブラスタにはかなわなかった。
(もちろん、そのクローン体はブラスタ用に組み合わせたインプラントを挿しているのだけれど)

 さらに、連続してミッションをこなす際にはあまりにも多種の弾薬を持たなくてはならず、切り替えも当然ながら選択肢が増えて面倒になる。
(Kin属性の Scourge で力押しするのも手だけれど)

 その観点でも、弾薬にほとんど選択肢のないブラスタ艦は楽だと思う。
 もちろん、ブラスタ艦のクセを知っていないと、すぐに消し炭になってしまうのが難点ではありますが。

2013年3月11日月曜日

ひさしぶりの Gallente。


「……それで?」
 エージェントは、冷ややかな視線をまっすぐに私に向けている。
 冷徹で皮肉たっぷりの表情は、とても友好的とは言いがたいものだ。
 彼のコンソールの前にあるホロディスプレイが投影している情報は、私たちが「合法的」な存在であることのほか、Gallenteという国家にとって  その権力宙域において  の「有用性」と履歴を証明している。
 もちろん彼から(そして彼の所属する企業から)は長いあいだ多くの仕事を請負ってきた。
 だから彼がそんなデータを本当は必要としていないことも、その表情に隠されている本音も私にはわかる。

 彼に割り当てられたオフィスのこの一室に入ってからというもの、真雪は私の斜め後ろで、置物のようにひっそりと、ひかえめに身をすくめている。

 もっとも私がこの場所を訪れたのは久しぶりのことで、かつては冗談を飛ばしあうほどまで親しくなったはずのエージェントが、今は仏頂面をしながら私たちのIDレコードに渋い視線を投げかけているというわけだ。

「もちろん、あなた方の乗っている艦船や、私設企業体の来たところに問題があるわけでも、行く末について心配しているというわけでもないんですけれどね」
 彼はあえて事務的な口調を強調するように言いつのる。
「Tulala、君は君であれほど嫌っていたはずのカルダリの艦船に乗っているというし、君の妹だと記録されているそこの……ええと、Mayuki? 彼女の船にいたっては、あろうことか Gulistas のそれだというデータが届いています」
 彼は沈鬱な面持ちで、おおげさにかぶりを振る。

 私はしかし、仏頂面の彼や私の背中にできることなら隠れたそうな真雪とは対照的に、にやにやしていたことだろう。

 Roden Shipyards。
 Gallente 屈指の宇宙船開発/生産メーカのエージェントたる彼が、今ここで苦言を呈さなければ、いったい誰が文句を言うというのだろうか。
 艦載IFF(敵味方識別信号/装置)は、その Pod を搭載した船がどこのメーカの開発で、どこの勢力の艦船だろうと気にしない。
 だから、どの国家に行っても私たちは平気な顔でステーションに対して停泊要請を出せるし、ステーションの管制が問題にするのはパイロットたる私たち自身のIDだと心得てもいる。
 そんなことは常識で、だから敵対国家の船に乗っていてもとがめられたりはしないし、海賊勢力の船に乗っているからといって警察に捕まることもないのだ。

「まぁ、確かにね」
 私は、ゆっくりと口を開く。
 私がこの企業をどれだけ好ましく思っているかは、彼自身もよく知っているはずなのだから。

 駆け出しの頃、Gallenteでの国家内地位(Fac ST)がある程度まで上がったのを機に、彼らに必死で取り入ったのは私のほうだ。
 当時の私は Amarr のきらびやかな(そして鈍重な)Battle Ship に飽きて、Gallente の船に乗り替えを始めつつ、製造開発関連企業との接点を求めていた。
 相応の時間をかけて彼らにとっての私の「有用性」を証明し、R&Dエージェントとさえやりとりをするようになった私は、さらにこの企業での評価を上げ続けた。
 高位エージェントであるところの彼から多くの仕事を請け、それを確実に達成することで、この宙域での評価基盤を作った。
 そして  

「突然この地を去ったのは事実だし、しばらくあなたのところに来なかったのも事実だし、その間に Amarr での評価が存外に上がっちゃったのも事実ではあるんだけれど」
 彼はそれを聞きながら、片方の眉を器用に持ち上げた。
 私は、そのジェスチュアを無視して続ける。
「Caldari の船に乗ってるのは成り行きでたまたまのことだし、この国やあなたの企業とその成長にとってはもとより、あなた自身のキャリアにとって、まだまだ有用な存在だと思うんだけどなぁ、私は」

 そのセリフを、しばらく噛み砕いていたのだろう。
 彼はふたたび仏頂面になってから、片方の口元だけで笑みを作り、そして言った。
「それなら Tulala、もっとうちの船に乗ってほしいもんだなぁ。きみのお気に入りの Enyo、先の法整備よりずいぶん前から仕様が変わってるんだから」

 もちろん覚えている。おそらくは彼もそうだろう。
 このエージェントのもとを初めて訪れたとき、私は Ishkur に乗っていた。
 そのときだって、彼からは嫌味たらたらに迎えられたものだった。
 彼は生粋の Gallentian だし、当然この企業と海軍との繋がりは重力アンカのように、目に見えなくてもそれはそれは強固なもののはずだ。
 このあたりの宙域で Roden のロゴを刻まれた紅色の船が増えるなら「エージェントとして」の彼はさぞ満足するだろう。
 それはIFFやらポッドパイロットIDの問題などではもちろんなく、企業でキャリアを積み重ねた者にとって当然の姿勢とさえいえる。

「ええ、もちろん」
 私はにっこりと答える。
「乗りたいときに乗りたい船に乗る。乗るべきときに乗るべき船に乗る。優秀な船がそこにあるかぎり私たちがそれに乗らない理由はどこにもないし、Roden の深紅の翼がそうでないはずなどない。そうでしょう?」

「ふうん」
 彼はため息とも肯定ともつかない音を立てながら息を吐き、コンソールを操作する。
「そして行きたくなったら、どこにでも姿を消しちまうんだろう……まったく」
 ホログラフに表示された、ファイルのひとつを開きながら苦笑いをする。
 そんなに文句があるならポッドパイロットになればいいのに、と以前、言い返したことがあったっけ。

 それでも彼には愛する家族があり、誇る民族があり、所属する国家がある。
 それらに所属し、拘束され、その不自由に安住することを、彼は選んでいる。
 私は逆に自由を選んだ。
 だからこうして、血統上は反目している国家所属の造艦企業に出入りもしていられる。
 方向が違うからこそ互いに敬意を払える、こうしたありようを私は素敵だと思っているし、なんだかんだと文句を言いながらも、民族や乗っている船ではなく私個人の能力を買ってくれる彼のことをとても信頼している。

「まぁ、ちょうどよかった。実はちょっとやっかいなことが起こっていてね」
 皮肉の種も尽きたのか、彼は以前と同じように、実直な表情で告げる。
「腕ならし程度に片付けてもらうとするか……。ところでまさか」
 そこで彼はまた、両目を細めて私を見る。
「まさか入港したアレ以外に、船を持ってないとか言うんじゃないだろうね?」

「あれぇ?」
 私はフレイタをオフィスに置いてあることなど瞬時に忘れて、おおげさに言い放つ。
「私が『今乗っていない船』を持ち歩いていたことなんて、今までにあった?」

 私の影に隠れて、真雪がくすくすと笑う。
 エージェントは、あきれた顔で肩をすくめ。やがて笑い出した。




>>>

 Gallente に渡った。
 Dodixie(※後述)から遠い、開発/生産に特化した Office 付近に停泊している。

 Office の荒廃ぶりは、思ったほどでもなかった。
 おそらく、一番寂れているのは Caldari の Office だろう。
 それは分かっているのだけれど、かの地に向かうのはまだ、もう少し先になりそうだ。

 まともに募集活動もしていない私の Corp のアクティブメンバは減り続けて、今ではソロコープの様相を呈しているし、Office に集まる資材やら弾薬やら船やらモジュールやらの数々は、ただただ積み重なって、使われるなり売られるなりする日を待っているだけだ。

 もちろん、不満があるわけではない。
 孤独が嫌いなわけでもない。
 目標や目的が失われたわけでもない。
 人数が少ないからこそ出来ることもあるわけだから。

 というわけで、今は High Sec POS 建設を狙っている。




※Guristas:ガリスタ
 カルダリを拠点とするNPC海賊。
 そのポップにして悪辣な「ウサギ髑髏」のマークはあまりにも有名だ。
 そのトップはかつてカルダリの正規軍属であったと聞く。
 Gallente 連邦の政府要人を誘拐し莫大な身代金をせしめた事件によってその名は、Caldari だけでなく Gallente にも広く知れるところとなる。
 政治的イデオロギィもないままに活動するさまはまさに「海賊」そのものである。


※Dodixie
 Gallente 連邦最大の商都。

2013年3月3日日曜日

あっちの色がいい。

 この一年ほど、ほとんどの時間をT3に乗っている。
 こういうのは堕落するなぁ、とつくづく思う。

 金に飽かせて高価なリグやモジュールを使えば、ミッションをこなすのはとても安全になる。
 Tengu など、シールドハードナをひとつ組み替えれば、それぞれの属性に対して1000 程度のDPS にも耐えられる。

 そのため Tank 役をしていた真雪の Rattle Snake は、今やもっぱらダメージ/援護射撃艦になっていて、危なくなるとMJD(Micro Jump Drive:艦首方向100km 先へ短距離ワープするモジュール。3min.のクールダウンがあるが、BSの一時退避に最適な装置)によって「常に最前線から離脱する」という方法をとっている。

 しかし、Caldari 生まれで Caldari に育ち、Caldari のスクールを卒業してから Amarr に渡り、レーザタレットとアーマリペアに専心して Minmatar の荒波に揉まれた私にとって、Active Shield は「いちばん心もとない防御法」のひとつだった。
 キャパシタが大食いのため、他の装備とあわせた操作は必然的に煩雑になる。
 適切なキャパシタ/HPの残量管理を行い、モジュールを間違いなく動作/停止させる必要がある。

 全体の布陣からの戦略設定とマーキング/ターゲットの選択/ターゲッティングと攻撃。
 近接攻撃を好む私にとって、これだけで非常に忙しい。

 敵艦のサイズ、グループの密度、距離や速度によって、戦術機動の選択(たいていは停止か Orbit か Keep Range になる)を行う。
 ブラスタであれば、戦闘中に弾薬の変更だけでなく、トラッキングコンピュータのスクリプト差し替えも行う。
 距離が十分にある場合は速度差によって艦船サイズごとにグループが分散するので、接近してくる小型艦を Null 弾で射止め、至近距離に近接した小型艦やドロンはT1(もしくはFac)弾で、中型/大型艦は Void 弾で片付ける。

 攻撃の補助としてT2ドロンを使うか、デコイとしてT1ドロンを使うかの判断も、ブラスタ艦では重要だ。
 このうえ機動系でMWDを使用しながら、キャパシタとシールド残量も確認しなきゃなんて、考えたくもない。
(もっとも Active Shield ブラスタ艦なんて Fitを組んで乗る人も少ないだろうけれど)

 そこでT3の「お手軽らくちんFit」となる(もちろんコストもそれなりに掛かっている)わけだけれど、Active Shield で、キャパシタモジュールはリグ以外いっさいなしに、MWDもブースタも常時起動しっぱなし、なんていうのが当たり前になってしまったら、それは操縦のプレイヤスキルもガタ落ちになるのが必然だ。

 そんな危惧をおぼえると、私はDDに乗ってL3ミッションに出向くのだけれど。



 このまま堕落してはいけない、たまには新しい船に乗ろうと思い、かつてスキルを上げていた Command Ship に目をつけた。
 BCベースのT2艦。防御ボーナスもさることながら、攻撃に特化した Field Command Ship と、フリートボーナスに特化した Fleet Command Ship。

 いくつか見ていたのだけれど、どうしても悪い癖が出てしまう。
 つまり、Blaster 艦に乗りたくなるのだ。

 そうなるとやっぱり、私の大好きな CreoDron 社が開発した Eos
(Drone スキルは相変わらずイマヒトツな私ですが、CreoDron 社は好きです)
 それとも Duvolle Laboratories の開発した Astarte

 いやいやいや。
 たしかに、7門ものブラスタを搭載できる Astarte は、Drone を使用しなくても900を超えるDPSを叩き出すことが可能です。
(私が Vindicator に乗った場合のDPSは、やっと 1100を超える程度なので海賊艦には乗らないほうがよさそうです(苦笑))

 しかし、BC以上のブラスタ艦は「あんまり防御が硬くない」だけではなく「あんまり速度が出ない」上に「船体が大きいので被弾しやすい」という危険がいつも隣り合わせです。
 これは怖い。

 では、見た目で勝負。ここはひとつ防御力にも目を向けつつ、かつて Wiki を見るときに重視していた「L5ミッションソロ可能」も重要点として考えよう。
 と思っていると当然目に付くのが NightHawk
(機体画像のあるJP-Wikiのページはこちら

 美しいですね。
 「のぺ~」としていて「塗装とか、面倒だもんね」「どうせシールドのエナジフィールドで可視拡散光が大幅に乱れちゃうから、船体色なんかどうでもいいもんね」「武器を撃てれば見た目とかどうでもいいもんね」「塗装すると高くつくから保護コーティングだけでいいもんね」といった、よくいえば質実剛健、悪く言えば「もんね主義」という Caldari らしい哲学を貫徹し続ける T1Ship からは想像もつかない、特殊部隊のように精悍かつ力強い Kaalakiota(※後述)Black に、Kaalakiota のロゴをそのまま身にまとったような、鮮やかな紅のライン。
 こんな素敵な船に乗れるスキルがあるならば、乗りたくないなどと言う人が果たしているでしょうか。いえ、いるはずがありません。(反語)

 ただし、惜しむらくはその武装。
 Ship Bonus を見ると分かるのだけれど、HM(Heavy Missile)ほぼ一択。そのうえ、HMの飛行速度や航続時間ボーナスはないので、飛距離はそれほどでもありません。
 その上、この NightHawk、タレットは1門しか装備できません

 こんなときの強い味方、艦船Fitシミュレータ「EFT」を使ってあれこれ調べてみると、Fleet Command Ship、Valture のほうが、防御も攻撃力も高くできるということが分かりました。
(ええ、ええ。もちろん、武装はブラスタ&HAM(Heavy Assault Missile)。近接戦仕様です!)

 もちろん、Tengu のほう速くて小さくて有利なので比較してはいけないのですが、それでもMサイズ Void弾(※後述)の Opt.Range(有効射程)が6km以上になるのはちょっとすごいです。
 ディベロッパが Ishukone(※後述)なのは片目をつむるとして、DPSも(それなりに)私好みの数値が出てきました。




 というわけで、実際にマーケットで探してみたところ……。
 こんな外観らしい。

 ……あれ?
 なんですかこれ。
 日陰者感が半端ではありませんよ?

 前半分だけステーションの陰に隠れちゃったとか、そういうことではありません。
 グラデーション塗装ですよ、グラデーション塗装!

 オールドアースの2Dギャグアニメーション「ちびまる子ちゃん」で、登場人物にショッキングな現象が起こったときの顔にかかる、翳りの表現そのままです。
(参考画像:http://www.dream-plaza.co.jp/chibimaruko/wp-content/themes/chibimaruko_1_2/images/chara_noguchi.gif

 まさに「くわしく調べてみれば……。」という気持ちになったのはいうまでもありません。


 ああ……。
 なんと不遇なのだろう。
 カルダリで唯一私が好きな Kaalakiota の艦船はダメージ重視ではないミサイル艦で、ブラスタ/ミサイルを装備できる(と素直に喜んでいた)Ishukone の船は(同じモデルの船なのに)こんなにもダサいなんて。

 誰か、塗装だけ Kaalakiota カラーに塗りなおしてくれないものかしら。






(※ Kaalakiota:
 Caldari の8大企業のひとつ。総合企業として一般工業製品から不動産までをも取り扱い、ミサイルをはじめとした軍需産業についても古くからの歴史を持っている。
 8大企業でも屈指の規模と権力を持つ)


(※Void弾:
 ブラスタ用T2弾薬。タレットの射出機構かかる負荷を軽減するためか、トラッキング性能が75%になるペナルティがある。
 しかし Antimattar弾をはるかに上回る有効射程(Opt.Range)とFac弾薬を超える大きなダメージを持つため、とくに自艦よりも大きな対象には絶大な効果を発揮する。
 Opt.Range が上昇した一方 Falloff Range は低下するため、戦術距離は必然的により近くなる。
 ブラスタの真髄ともいえるその能力は、多くのブラスタユーザの心をつかんで離さない)


(※Null弾:
 ブラスタ用T2弾薬。射出機構にかかる負荷軽減のためか、トラッキング性能が75%になるペナルティがある。
 ダメージは T1 Antimattar弾にも及ばないものの、最長射程は Ion弾薬を使った場合を軽く超え、威力はその倍以上にもなる。
 Void弾同様、適切な場面で使用すれば、圧倒的な能力を発揮する)


(※Antimattar弾、Ion弾、Fac弾:
 短射程だが、高威力を突き詰めたものが Antimattar弾。
 低威力だが、長射程に特化したものが Ion弾。
 Fac弾は、各種軍用弾薬のこと)


(※ Ishukone:
 Caldari 8大企業のひとつ。昔は名も知れない弱小企業であったが、この一世紀ほどでハイテク機器をはじめとした最先端企業として台頭し、広くその名を馳せることになった。
 そうした背景には、かの Jovian(Jove人)との強い繋がりがあるらしいのだが、詳細は不明。
 ちなみに Ishukone は宇宙に名だたる大手メディア企業、The SCOPE の筆頭株主である)

2013年2月20日水曜日

知らない貨物が置いてある。


 長らく放浪生活をしていると、さまざまな積荷をあちこちに放置しておくことが必然になる。
 必要な物資は、どうしても必要なときは取りに戻ったりもするのだけれど、たいていは近場で買ったり作ったりして間に合わせてしまう。
 現時点で手持ちでないものは最初から持っていないと思えばいいのである。
 どうしても必要なら Asset Listから検索する(一覧なんて、とても見る気になれない)か、外部アプリに頼ればなんとかなるのだし。


 先日、ふらりと立ち寄ったステーションには、大量の Loot品を収めたコンテナがぽん、と置いてあった。
 フレイタに乗れなかった頃はとくに Loot品の管理が大変で、コンテナに放置する方法をある時期から採用していた、その名残だろう。
 真雪も一緒に活動していた時期らしく、彼女のハンガには Torpedo(大型艦用短射程ミサイル、通称:魚雷)も4種類、置いてあった。

 コンテナの中身を開けてみると、実に推定価格 1Bil近い Loot 品の山(ある意味ラッキー?)。
 どんな意味であれ(なによこれ)と思ったのは言うまでもない。
 フレイタで持ち運んでいる Loot品と合わせたら、Loot品の総額だけで 3Bilを軽く超えてしまい、コンテナの容量もすれすれに近い状態。

 せっかくなので、荷物を整理しようと思い立った。



 まず、高額で売れる製品を選り分けて、売却用コンテナに放り込みます。
 Meta4 から順に、特に高値で売れるものだけを選び出します。
(この作業が一番時間を使います)

 次にかさが大きいものを選り分けて、売却と溶かして材料に変えるのと、どちらが得かを比較します。
(私の場合、溶かし能力もそれなりにあるので、たいていは溶かしたほうがお得です)
 溶かすことが決まったものは、溶かすもの専用のコンテナに放り込みます。

 Office に立ち寄り、溶かすものをすべて溶かして鉱石に変えたのですが、まぁこれが、実に大量にありまして。
 ついでに、Noctis5隻と Rigをいくつか生産することにしました。

 そのあと、最寄の商都で売却品を売り出し。
 私の場合、Buyerの買い取り価額が市場平均の -20%(80%の金額)までの場合はそのまま売ってしまいます。

 Noctis ができあがったら売りに出して、会社と自分と収益を半々くらいで分ければいいかな、と思っています。

 このようにして、500mil くらいの資産が確保されました。



 どうしてこんなに慌てて資産を作ったのかというと。
 Tenguを壊してしまったのです。
 ミッション運用ではまず壊れることがない上、私は基本的に PvP をしません。
 が、たまたま模擬戦の依頼を他Corp のお友達に申し込まれたとき、たまたま自分の拠点に戻るよりも直行したほうが早かったので(模擬戦だから、Scram とかを持たなくてもいいだろう)と思い、そのままの装備で模擬戦を行う星系まで移動したのです。

 しかし、JetCan Fight の仕様が変わったのか、同じフリートにいたのが悪かったのか、犯罪フラグが立ちません。
(もちろん、立ったら立ったで、今の仕様だと危険なことも承知しています)
 ちょうど、決闘システムが立ち上がる前日でしたから、決闘を申し込むことも思いつきません(システム的にできないですし)。
 いろいろ試した挙句、ここまできたら試しに撃ってみようか、となりました。
 場所は Kakakela。SLは1.0で非常に治安がよい場所です。

 ええ。ええ。
 一瞬にして偉大なる警察機構、CONCORDが大挙でやってきて、あっというまに Podです。
 1.0 の Kamikaze って、大変だよねー。なんて感慨にふけっている場合でも、灌漑にふけってい場合でもありません。そもそも田畑なんて持っていません。干害で灌漑をしたので感慨無量とか、どうでもいい駄洒落を考えている場合でもありません。
 ハードナから何から一式がコンテナに入っていたため、5bil が燃えてしまったわけです。
(どんなものが燃えたのか、だいたい想像がつきますね(苦笑))
 しかも犯罪者フラグ。

 やったね! 今から数分間、私は犯罪者! 気分は小悪党です。ひゃっほー! とか喜んでいる場合でもありません。
 ステーションには Dock できず、ゲートからジャンプも出来ないでしょう。
 そんな場所で「ぼやー」としていたら、好奇心旺盛なベテランパイロットたちに何をされてしまうか分かりません。
(Pod を焼かれて、死体をコレクションされるなんて、まっぴらごめんです)
 なのでひたすら、星系内の人のいなさそうな場所(惑星だの月だの)へ、Jump,Jump,Jump です。

 フラグが解除されてから最寄の Office に立ち寄ってシャトルを取り出し、Jita に出かけて可能な限りの復元を行いました。
 が、元通りになるまでに 2.5bil ほど足りないわけです。

 こうした場合の金策、
 1.ミッションをする。
 2.造船して売る。
 3.Loot 品を整理する。

 を総動員。

 1週間ほどの二人の総計は、ミッションと Loot 売却で 1Bil くらい。
 溶かしたほうが有利な資材を溶かして Noctis 造船販売で 400mil くらい。
 ほとんどの装備は回復したので、あとは趣味の装備品集めです(笑)。

 そうこうするうちに、Loot コンテナの中身もまた 3bil に近づきつつあって、むしろそれが心配です。

 いやー、それにしてもびっくりしましたねー。
 国家権力おそるべしですよ。
 Flag 関連のことを、もう一度勉強しなおさないと、と気持ちを改めました。

2013年2月17日日曜日

礼儀の問題?

 クリックミスで戦争が起きたとか起きないとかで動画がリリースされ、それに触発された人たちが、わっと参入している昨今。

 私は、相変わらず元気です。

 Amarr領の生活にもそろそろ飽きたかなぁ、と思ってミッションしていた矢先、Mission 地に見知らぬ機影が。
 いわずと知れたサルベ泥棒さんです。
 なんだか久しぶりで新鮮です。
 首都に近く、ミッションでもいまだに有名な星系のそばだったからでしょうね。

 ところがこのサルベ泥棒さん、個人会話要求をしてきました。
「なんだろー、嫌な予感しかしないなぁ」と思いつつ、Accept してみたところ、
「私、この場所をきれいにしてもいい?(雰囲気だけで解釈)」と英語で言われました。

 まぁ、めずらしい。
 礼儀正しいサルベ屋さんです。
 これはきちんと許可を取っているので、泥棒さんではありませんね。

「いいですよ、全部あなたにあげるね(と雰囲気で意訳)」して伝えたあと、私はミッションを継続して終了させました。

 よくよく考えると、残骸の所有権を放棄しないで終わりにしてしまったので、彼女は犯罪者フラグが立ってしまって、誰かに攻撃されてしまったのではないかなぁ、と気になったりしました。
 ああいうときは、周囲の残骸の所有権を放棄して自分の意志を伝えてもいいかな、と思ったり。


 一方、別の日にその近所でミッションをして、いつになく Noctis に乗ってサルベに出かけたところ、いるではありませんか。ええ、サルベ泥棒が!
 Noctis だし、武装もないし、船を作るのは好きだけれど壊すのはあまり好きではないので、そのままサルベを開始。

 ところがさすが泥棒だけあって、たちまわりがずるいのです!(笑)
 感じ悪いなー、と思ったのでそそくさとステーションに戻って引越しの準備を始めました。
(ちょうど、上げたかった Corp のスタンディングが目標値に達していたので)

 これで、Amarr 領のほとんどの Corp のスタンディングが 5.0 を超えましたね。
(あと2社くらい残ってるかなぁ)


 ところで同じサルベ泥棒でも、ちゃんと挨拶してもらえると「うんうん、いいよぉ(にっこり)」という気持ちになるのに、勝手にされていると「テメーコノヤロー(--メ」という気持ちになってしまうのはどうしてなのでしょう。
  Loot & サルベの規模が前者と後者で違ったため、私にとっての価値が若干異なったのは事実ですが、仮に Loot品だけで十分な収益が見込めるものであっても、ちゃんと挨拶をしてくれる人ならば譲ってもいいかな、と思います。
 逆に、たいした収益が見込めない場所であっても、勝手に何かをされるというのはやはり気持ち悪いもので、それだけでとても嫌な気分になります。
 FPK狙いの方たちは、主にこうした人の心理を利用しているともいえるでしょう。

 大儀も何もない愉快犯的な PvP を私が嫌うのは、単純にそれだけです。
 単純に人の気分や財産を穢す、それを喜ぶことの出来る人にとってはたいそう楽しいのでしょうけれど、少なくとも私にはその感覚が理解できないので、船を壊すよりは作っているほうが楽しいわけです。

 そのようなわけで、いかなる挑発をされた場合にも(ああ、いやだなぁ)と私は思います。
 そしてほとんどの場合(いやだなぁ)と思ったからといって攻撃したりはせずに、その場を立ち去ります。
 いやな人を懲らしめるために私は旅をしているわけではないし、エージェントから仕事をもらっているわけでもないので。
 逆を言えば(いやだなぁ)と思いさえしなければ、詐欺に遭ってもFPKされても、楽しいんだろうなぁ、と思うのです。
(ときおりチャットなどで流れる、Jita のジョークな寄付希望などのように)

 スクールを卒業して間もなくでまだミッションもままならずに Ratting をしていたとき、FPKで Ship Kill されたことがあります。
 このときは、FPK の仕組みを知ったばかりだったので「おお、こうして船を破壊されてしまうのか」と楽しい気持ちでいましたし、それによって Web や Scram がどのように作用するかを体験しました。
 実際には、学校でもらったばかりのDDが破壊されてしまって残念な気持ちもあったのですが、今思えば、あの体験はとても貴重だったのです。
(だからといって、スクール付近の星系で Noob Killer を楽しむほど、私は優しい人間ではありませんが)

 PvP を楽しむ多くのパイロットたちが戦闘終了の挨拶として「Good Fight」と言い合うのも、そうした「お互いに楽しむ」精神があってこそなのだろうな、と思います。
 なので、次に生まれ変わってサルベ泥棒で生計を立てるときには、きちんと挨拶をして許可をもらってからにしよう、と思いました。



 今は、Amarr 領内で、若干 Gallente 領に近い場所に来て、Gallente Corp の ST を上げています。
 Fac ST のいかんにかかわらず、いろんな Corp のL4エージェントとやりとりができれば、メンバの役にも立つし、放浪生活も便利ですからね。

 そういえば、新規参入の方の一部には「PLEX生活をすぐにもしたい」という方も見受けられます。
 たしかに、NEXONを経由しての課金システムを不安に(あるいは不満に)思う人は多いでしょうし、私自身もその一人です。
 それでも、私は課金をしてプレイするべきだと思うし、自分はそうしています。
 なぜかというと、PLEXをゲーム内で買ってプレイするのは、不自由だからです。
「ゲームをプレイする時間を買うためにゲームをする」ことが純粋に楽しめるならばよいと思いますし、PLEXをISKで買ってあまるほどの収益があるならば、問題もないでしょう。
 ただ、無料でプレイすること(PLEXを購入すること)が目的になってしまったら、これほどつまらないプレイスタイルもないかなぁ、と思うのです。

 高い収益のある環境には、相応の足枷も存在するでしょう。
 それを考えると、少なくとも私のように束縛を嫌い、自由であることを素晴らしいと思う人にとっては、あまり楽しめない状況になってしまうのかなぁ、と。

 もちろん、サルベ屋さんだって「当たり」を引き続ける運と才覚に恵まれれば、FPKされることもなく、人の気分を害することもなく、PLEX代くらいは数日で稼げるでしょう。
(CLに乗れて、サルベをして、Combat Probe を使いこなす程度のキャラクタ/プレイヤスキルが必要になるでしょうけれど)

 あるいは、既存のプレイヤに招待してもらって、トライアル期間を多めにしてキャラクタを作り直すのも方法でしょう。
(Buddy Program については
http://wikiwiki.jp/eveonlinejp/?Guide%2FIntroduction#md1a9d7b を参照)



 21日のトライアルは欲しいけど、まだゲーム内に知り合いもいないし恥ずかしくて、だけど自分のアカウントがアクティブになったときは、つららに30日のゲームタイム延長くらいならあげてもいいかな、という人は以下の Buddy リンクを使うと、つららがちょっと喜んで、いろいろ(船とか弾薬とかドロンとか)作ってくれると思います。

https://secure.eveonline.com/trial/?invc=d52a6cd8-80ca-4d01-9e12-11400a81a52a&action=buddy


 ええ~?
 最後は自分のアカウントの Buddy プログラムの宣伝? とか思ったそこのアナタ。
(もちろんそんなつもりはなくて、これは話の成り行きというかなんというかなんですが、この期に及んでこんなふうに言い訳したりする自分もみっともないし情けないし、かといって、Buddy Program のことを知ってよかったと思う人もいるでしょうから、話を出さないほうがよかったのかもしれないと思いつつも消すこともできずにいるわけで、このあたりの悩ましい気持ちを正直に書いたって、まぁたいていの人は読まないよなぁと考えたりはするものの、話を締めくくるのがちょっとしづらい感じかなぁと思ったりなんかする部分もあるわけで……)

 要するに、旅は道連れ、ではありませんか。

2013年1月27日日曜日

お金がなくてもいいじゃない?

 お金おカネおかね~。
 商都に買い物に行くたび、JPCHを眺めるたび、私はついついお金を目的にしてしまっている自分に気がつく。

 それはそうだろう。
 ISK(EVE宇宙通貨)さえあれば、好きな船が買えるし、PLEX(パイロットライセンス:ゲームタイムを1ヶ月延長することの出来るアイテム)も買える。
 お金がすべてだ! という気持ちになるのは、あるいは自然なことなのかもしれない。



 私もそんなわけで、このところお金を貯めていたのだけれど、本気で貯め始めたら本当に貯まってしまったので、ぱーっと散在した。
 今は所持金が 100mil を切っているけれど、やっぱりこのくらいがちょうどよいと感じてしまう。



 そんなわけで、たまにはちゃんと放浪/冒険してみよう、と思い、Amarr の奥地にある Low を抜けた先の High Sec に遊びに行ってきた。
 Low に囲まれた、離れ小島のような High Sec エリア。
 こうした場所は、Caldari にはない。
(Minmatar などは、そもそも「治安のよい場所」が少ない印象だし)

 ミッションをこなす傍ら、数ヶ月前から Map を眺めては興味津々でいたのだ。
 しかし「この世はお金だ!」と思ってしまうと、そんなお金にもならない冒険旅行に出かけるメリットは、何もない、のである。

 しかしまぁ、本気でお金を貯めれば貯まることが分かったところで、たまには出かけてみよう、と出かけてみました。
 こうした「浮島」状の HighSec は、Amarr と Gallente 領に属しているものが多いようで、そのうちのいくつかをめぐってみよう、というのが今回の目的。

 入念なプランを練って、というのは性分に合わないので、個体にはインプラントを差しっぱなし(わざわざインプラントなしの個体に乗り換えない)、船はそのへんにあったインタセプタ(ワープが速い、という理由)に飛び乗って。
 ゲーム内マップだけを見て、Ship Kill や Pod Kill など確認しないで、Way Point を設定したら、出発です!

 Low Sec の移動は、BPOの研究やコピーで、もうすっかり慣れっこになりました。
 俊敏なFGを使って手動で飛ぶので、BSから Smart Bomb を受けたことはありますが、致命的なダメージを被ったり、まして船が破壊されたことはありません。

 そんなわけで、ゲートを目指しては飛び、ゲートキャンパと睨み合いながらもジャンプボタンを連打して飛び、何だかよくわからない、もやもやしたものを放射しながら近づいてくるT3(恐怖!)を尻目にジャンプボタンを連打して飛び、というのにも馴れつつあります。

 実はルートは大きく分けて2通りくらいあります。
 経由する Low System の少ない Gallente コースと、Low System は多いけれどSL(※後述)に Null(※後述)がない Amarr からのルート。
 私は Amarr の奥地でしかないと思っていたのですが、Gallente の High と最終的にはつながっていたので、驚きました。


※SL:

Security Level:星系治安レベルを指し、SSと略されることも多い。
0.4 以下は警察機構がまともに機能しない Low Security System と呼ばれる。

※Null(Null Sec):

SL0.0以下となり、4大国家が治安統制力をまったく持っていない星系。
どこかの Alliance が所有していることがほとんどで、この領域でのみ使用が許される恐ろしい兵装がいくつかある。




 もちろん私が恐れるのは、Warp Disruptor Field、範囲型ワープ妨害だ。
 単体型の Warp Disruptor なら High Sec でもお目にかかる。
 しかしそれはロックされなければ問題にならない。
(ついでに、私は Warp Core Stabillizer を満載しているから、妨害強度が2~3程度なら無視できる)
 けれど、Null でのみ使用が許可されているこのフィールドにつかまったら最後、そこから出るより前にそれはそれはひどいことをされてしまいそうです。
(Warp Disruptor Field の妨害強度は100。Warp Corp Stabillizer は何の役にも立たない)

 そんなわけで、距離の短い Null 経由よりも、距離は長いけれど心配の少ないNull なし経由を選んだわけです。
 先の投稿でも触れましたが、T3には範囲型ワープ妨害を無視する SubSystem があるのでそんなFitで出かけることも可能です。
 しかし、目的もなく散策に出かけるのに、そんな高価な船で出かける必要があるとも思えません。
 なにより「どんな危険があるのかも含めて体験しに行く」ことが目的なのですから。






 しかしまぁ、結構安全な道中だったのではないでしょうか。

 驚いたのは、ものすごい過疎地を期待して出かけたのだけれど、意外に人がいること。
 商売はどうかと見てみたのだけれど、案外品物もある。
 きっと、現地で生産をしている人もいるのだろう。

 L4エージェントも、それぞれの「浮島」に多少は存在しているので、材料を集めるのには事欠かずに済みそうですし、Low も近いので探索したりするのにもいいかもしれません。
  当然ながら、これらの(特に途中に広く横たわる Low Sec)エリアは、High Sec よりも Null エリアに近いので、宙が綺麗です。 Gallente のグリーンと Amarr のオレンジの星雲、それから遠くに小さく青い(Caldari かな?)の星雲が見えました。

 俗世の些事に疲れてしまったら、こんなへんぴで不便な場所に行って、しばらく静養するのもよいかなぁ、なんて思いました。
 問題は「何を」「どうやって」持って行き、持って帰ってくるか、ですね。
 俗世の些事から離れようと言いつつも、ついついそういう卑しい大人っぷりを発揮してしまう自分を、恥ずかしく思ったりして。

 みなさんも、たまには ISK のことを忘れて、お金にならない旅行などをしてみてはいかかでしょうか。
 見知らぬ星系で、聞いたこともない Region で、新しい発見があるかもしれません。

2013年1月23日水曜日

T3って、どう乗るの?(Fittingとスキルについて)

 クローンにジャンプするたび、私たちを襲う危惧とも疑問ともつかない感覚がある。
「この私は、ちゃんと『私』なのだろうか」
 もちろんジャンプの後、Corpのメンバをはじめ、皆が皆、特に奇異な目で私を見ることはない。
 だからきっと、おそらく今の私は、ジャンプ前の私と同一の「私」として存在しているのだろう。

 スクールにいた頃、このジレンマについて教官は遠い時代の名言を取り出し、おまじないのように唱えたものだ。
「我思う、ゆえに我あり」
 なるほど、と今は思う。
 ここで私を「私」だろうかと考えているのだから、私は少なくとも私なのだろう。



 ながらく Proteus 用のインプラントを装着した身体だった。
 ある程度以上、EVE宇宙に暮らしている人なら、ジャンプクローン技術はおなじみだろう。

 この肉体に宿る意識が焼かれ、消失するときに瞬間転送されるスキルクローンとは似て非なるもので、意識のあるうちから、遠く離れたクローン施設で眠る任意の個体にジャンプする技術である。
 それに使われるクローンがジャンプクローンと呼ばれており、それを複数所有することも可能である。

 私の場合もご多分にもれず、いくつかのNPC Corpでの地位が向上するうちに、そのCorpの所有する施設の使用権を獲得することができて、以来いくつかのクローンを所有している。

「私の意識」をもつ「私」が二人以上いると、なんだか宇宙の存在的にうまくないことがあるらしく(たしか脳共鳴とか、そういうのが起こるのだったか)、そのあたりは個体が(おそらく意識レベルから)破壊されるのを防ぐ技術が徹底しており、私は「私以外の私」と会ったことも話したこもない。
 だから、どの個体にジャンプしても、私は私でいられる(ようだ)。

 もっとも、自分のクローン肉体以外の、たとえば性別や国籍の違う別人にジャンプすると、これはこれで肉体レベルでの問題があるらしく、私は「つらら」のクローン体でしか目覚めることがない。
 もっとも、私の意識を消失させた瞬間に、DNAの異なる他の肉体が目覚めてしまったら、その「全く異なる構成の脳」に発生する意識が「この私のもの」であるはずもないわけで、まぁ、当然といえば当然なのだろう。

 クローン技術については、下記リンクが詳しい。
http://wikiwiki.jp/eveonlinejp/?Backstory%2FCLONING :クローン技術の Backstory
http://wikiwiki.jp/eveonlinejp/?System%2FJump%20Clone :クローンの使用法について



 お金のないパイロットの多く(もちろん、私もそこに含まれる)にとって、クローン自体を用意するのは比較的容易ではあるのだけれど、インプラントまでそれぞれに用意することはなかなかむつかしい。

 そんなわけで、一時期、Amarr のHAS Sacrilege のためにHAM(Heavy Assaul Missile)用のインプラント群(といっても、2つくらいであとは空白)を装着していた個体で目覚めた「私」は、ずいぶん長いあいだ人工羊水に浸ってぴちぴちになった肌をさすりながら、足りないインプラントを購入して装着するべく、Jita に向かったのだ。

>>>

 T3艦は、現在4カ国においてCLクラスのみが1種類ずつ存在している、かなり特殊な艦船です。

 まず、Subsystem と呼ばれる船の部品が5つの部位で4種類ずつ存在します。
 5つの部位とは


  それぞれのFacごとに、さまざまな特性をもつ Subsystem が存在し、それらを組み合わせる(組み替える)ことでひとつの艦船として運用が可能になります。
 また、リグについてはコアにあたる艦船本体に装着されるため、リグも含めた Fit 変更を行いたい場合はリグを差し替えるか、別の本体を用意する必要があるでしょう。

 今回は、ミッションでT3を使う場合に、どのような運用をするのがいいかについて考えてみましょう。
(T3のFitを自分で悩みぬきたい人は、ここから先は読まないほうがよいと思います)
  • Offensive
    CLスキル Lv5 が前提となるT3艦に乗ろうとするあなたなら、当該Facの得意とする武装についてよくご存知かと思います。
    Facごとの Offensive Subsystem レベルごとに、ボーナスが発生します。
    Subsystem によっても得意な武装は異なるため、あなたが得意な System を選択するのが一番です。
    (Tengu でブラスタを撃つくらいの勢いが大事です)
    Warfare Link をT3で使いたい、というちょっとネジのおかしなあなたも、適切な Subsystem を選択すればOKということになります。
  • Defensive
    当然ながら、Amarr/Gallente なら Armor 防御、Caldari なら Shield 防御に関する、さまざまなボーナスが Subsystem ごとに設定されています。
    EFTで試すと、どの Subsystem がもっとも有用か、一目瞭然です。
    ええ、回復力を Lv ごとに増加させる、という Subsystem です。
    (すべての防御属性をアップさせるものは、全属性の相手の時には有効となるでしょう)
    ところが、両方の防御形態を利用できる Minmatar には、これと同等のものが存在しません。
    かわりに「信号サイズを縮小させる」というものが存在します。
    (効果は……乗ったことがないので分かりません^^;)
  • Electronics
    ミッションの場合、ターゲットレンジとセンサ強度を上げるものを使うのが王道のようです。
    ただし、Fit したいモジュールやスキルの関係でCPU増加を選ぶケースもあります。
  • Engineering
    私の場合、MWDを使用する都合上(そしてリグ以外で Cap 補給をしないのが理想なので)Capacitor Recharger 一択です。
    もちろん、他のものを利用して運用する方法もあります。
    (Armorバッファを利用する場合、PGを大きくするほうが有利でしょう。もちろん、そんな防御はミッションではお勧めしません)
  • Propulsion
    MWDに(キャパシタ消費量であるとか、増加信号サイズ低減の)ボーナスがあるのは、Proteus だけ!(布教活動)
    なんて私がいくらいっても、ほとんどの人は Proteus に乗ってくれません。
    いいんです、いいんです。
    誰も買わなければ、私が買うときに安く買えますからいいんです。


 続いてスキルです。

 搭乗しているT3船が他者の攻撃によって破壊された場合、5つある Subsystem スキルのいずれかのレベルがひとつ下がります。
 たまたまレベルの低いものが下がれば気にするほどのこともありませんが、L5のものが下がれば、元に戻すのに3日以上かかるでしょう。
 だからといって、能力はいかんなく発揮したい。




 おそらく多くの人が、5つのサブシステムを3~4にはするでしょう。ここに迷う必要はありません。
 考え方は人それぞれですが、私の場合は、Offence / Defence / Engineeering システムは非常に重要だと考えます。

 このため、その3つについては他より優先的にレベルを上げ、必要に応じてL5にします。
 とくに Defensive Subsystem だけは優先的にL5にするべきだと私は考えます。

 T3はたしかに優秀な艦船ですが、その特性を把握し、それを十全に活かせるプレイヤスキルが身につくまでは相応に時間を要します。
 私の場合、Proteus は3隻ほど落としています。PvP をしたのではなく、ミッションで、です。
 もちろん、ミッションにはあまり向かないとされるブラスタ艦を使う以上、相応に気を遣うべきではあるのですが。

 幸いT2モジュールを積んでいる船しか落としていませんが、これが運悪くDED品を満載していたりしたら、その損失は致命的です。




 艦船の運用でもっとも大切なことは、その能力を過信しないことですが、T3も例外ではありません。

 もしもDED品などを購入する際も、スキルと同じように防御に使うものを最優先とするべきではないでしょうか。

 もちろん、そのまえにT2品だけを装備している状態で、一度くらいは落としておくべきです。
 T3は多目的艦という位置づけをされてはいますが、決して「万能」艦ではないのです。



>>>

追記。
どういうわけなのか、私がこのブログにコメントしようとすると失敗してしまいます。
Corp メンバがほとんどなので問題ないとは思いますが、念のため、他意のなきことご承知おきください。

2013年1月20日日曜日

Tengu に乗ってみた。

 そろそろ、新しい船に乗ろうかな、と思った。

 Proteus に乗って久しいし、アップデートもあったことだし、Lサイズタレットを搭載できる Tier3 BC は防御が貧弱で今回のアップデートからは持ち出すのも恐ろしい感じだし。
 寒いし、年も明けたし、雪だまは投げていないし、Corp はいろいろごたごたしていたし。
 なので、そろそろ別の船はどうだろう? と思ったのです。

 ちょうど EFT の最新版に修正が入っていたので、ダウンロードして「はてさて、これはどうかなぁー」なんてやっていたわけです。

 気がついたら、Command Ship にも乗れるようになっていたので、さてさて Night Hawk に乗ろうか、それともいよいよ私も Tengu に乗るべきかしら? とドキドキしながら。

 Tengu で、なかなかナイスな Fit ができそうな気がしました。
 ブラスタ使いの私でも我慢できる程度のDPS(600くらいになりそう?)と、Caldari のシールド艦ならではの高い防御力(Sansha 相手に1000 くらい耐えられそう?)。

 それにしても Shield Booster は、T2とDED品の性能差がちょっと異常な感じで、卑怯だなぁ。
 だけどまぁ、貧弱防御で落とすことを考えるとDED品を使おうかなぁ、なんて思ったのです。思っていたのです。

 それでは早速、マーケットでの実価格を。
 と思って、ゲームにログインして、マーケットを見て愕然としました。

 Mサイズのブースタひとつで、1bil 超えてるよー。(**;
 DEDのハードナもひととおり揃えるのに、いったいいくらかかることか……。

 えーと、えーと。
 プロテウスのあれが○○milで、あっちは○○milで。

 トータルの差を考えると、1.5 bil くらい Tengu のほうが高いんです。
 たしかに、あの防御力は魅力的ですが。
 だけどあまりにも高いです(ついでにそんなに現金資産がない)。
 それに、私、ミサイルはそんなに得意じゃないですし、シールド防御もそんなに得意じゃない(たびたびネタにしますが、これでも Caldari 生まれです)。

 結局そんなことならDPSも高いし、ミッションする程度ならほとんど問題ない Proteus に乗り続けてればいいんじゃない?

 ということになり(Proteus を売ってまで乗りたくはないので)、このまま続投ということになりました。



 Command Ship も乗れるようになっているので、ここはひとつ Night Hawk ?

 とも思ったのですが。

「こんなDPSだと、私きっと寝ちゃうかな」って思いましたので、乗ることはなさそうです。

 DPSの高い船のいいところは、攻撃に関するオペレーションが忙しいことだと思うのです。
 防御が高い船だと、ぼんやりしている間、たとえば「ほかの作業をしてしまおう」と席を立ったり、海賊を撃破するまでの時間にイライラして席を立ったり、撃破までの時間に疲れて眠くなって席を立ったりします(ベッドへ直行です)。

 では攻撃力を上げようとすると、Shield 艦は防御がどんどん下がって燃え上がります。
(Passive Shield 前提の船に乗ったら最後、私は Drake だろうと Rattle Snake だろうと、落とすでしょう。ええ、落とすでしょう。)
 結果的に、私は Armor 防御と相性がいいのです。


>>>


 それが、昨年末の頃の話。

 さて、実際に Tengu を買ってみました。
 いまさらといえば今さらだけれど、あまねく宇宙で「名機」の呼び名をほしいままにしている Caldari のT3クルーザ。

 WHにいた頃も頻繁に Tengu の姿を見ていた。
 多くの人が使っているということは、それだけ有能な船なのだろう。

 私が愛用している Gallente連邦産T3、Proteus の敵役でもあり、お互いにライバルともいえる性格を持っている。



 私の生まれ故郷でもある企業国家 Caldari と Gallente 連邦の歴史については、日本語 Wiki の Backstory にもあるが、その船の特徴もそれぞれ徹底している。

 特に火力を重視した Gallente が得意とするブラスタという火器は、Thermal と Kin のダメージをほぼ等しく与える。
 高い火力の弾薬はトラッキングを重視したタレットより射出されるが、射程はきわめて短く、肉眼で敵艦が見える距離での戦闘になることも多い。

 もうひとつの武装、Drone はただのペットです(こんなことを言うと、Drone 使いのみなさんに叱られるかもしれませんが)。

 Caldari が最も得意とするのはミサイル系の兵器。
 特に Kin 属性のミサイルを得意としている。
 もうひとつ、ブラスタと同じカテゴリにあたるレイルガンは、ダメージ属性こそ同じだけれど、しかしブラスタとは反対の性質を持っている。
 威力はさほどではなく、タレットのトラッキングもたいしたものではないが、遠距離狙撃による安定したダメージを期待できる。

 Gallente 艦の防御形態は Armor 防御が基本、Caldari 艦のそれは Shield 防御。

 T2/T3船の場合、特化される防御が Kin/Therm なのは同様だけれど、Gallente の場合はより Kin 属性を重視し、Caldari の場合は、Therm 属性を重視している。



 T3船は、ご存知の方も多いと思うけれど、いくつかの部品を組み替えることでさまざまな特性を持たせることが出来る。
 もちろん、私が最初に選んだ武装はブラスタ。
 人に Fit を見せたら「Tengu のアドバンテージが台無しw」「ミサイル無視w」「もはやレールガンですらない」など、いろいろなご意見を頂きました。

 でもいいんです。
 Active Shield で、ブラスタを撃つ Tengu のシュールな姿といったらありません。
 戦術は、Proteus の頃と一緒で「MWDでひたすら近づいていって、殴る。」これだけです。

 非常にシンプル。そしてなかなかのダメージ。
 なにより Optimal Range が広いので、トラッキングとのバランスが取りやすいです。

 通常、ブラスタは相手に肉薄する必要があります。
 近づけば近づくほど、対象のわずかな動きでも、大きな角速度が発生します。
 このため Optimal Range に敵機を収めようとした場合、ほとんどの弾薬でトラッキングが大きくぶれてしまうことが多いのです。
 さらに Falloff を含めても、射程距離は非常に短いため、そこからわずかに距離が開けばあっさりダメージが与えられなくなってしまいます。
 結果として、ブラスタ艦は各種モジュールやスキルによる補正はもちろん、プレイヤの操艦技術も重要になります。

 一方、Optimal Range が倍近くになる Tengu の場合、目標との距離に余裕ができ、トラッキングを取りやすくなり、さらに Optimal Range に収めることが容易なため、十分なダメージを発揮しやすくなります。

 しかし、こんな説明に耳を傾けてくれる人は、どこにもいません。
「Tengu にブラスタ装備」なんて言おうものなら、Caldari でも笑いもの、Gallente でも馬鹿にされるでしょう。

 では、と艦船のアドバンテージを最大限に発揮するべく、Heavy Missile を装備したものの……。
 退屈です。
 明らかに、私が乗って退屈しないタイプの船ではありません。
 火力を求めて AfterBurner を装備すれば、船の遅さが目に付きますし、MWDを装備したら、火力が貧弱になります。
 結果、HAM(Heavy Assault Missile)を装備することにしました。

 これなら、DPSも我慢できる程度にはありますし、MWDで飛び回れます。
 なによりトラッキングを考えなくていいので、最大出力で敵のごく近くを Orbit し続けることが可能なのです。
(Proteus でこんなことをしたら、BS程度の大型艦でさえ、たまに外すでしょう)

 気楽&高い防御力(ええ、ええ。お金を使い果たしました)。
 ミサイル Tengu がミッションの王様、といわれるのはこういう理由なのかもしれません。

 ただ、やっぱり個人的には、ブラスタのほうが好きなので、ここはちょっと悩むところですね。
「うわ、あの Tengu ブラスタ撃ってるよ」という、好奇の目にさらされるのは、いたしかたないと諦めましょう。