2012年8月28日火曜日

Fitting 実践(Mission で使う Shield 防御のFG 編)

  前回のアップデートで、採掘船に必要な前提スキルレベルが下がったため、買ってみた。
  私はAB(Asteroid Belt:小惑星帯)には行かず、Mission 地の鉱石を地味に掘るのが好きなので(それでも邪魔が入るときは入るけれど)採掘量は多少すくなくても、防御力が高く、なによりAB(After Burner)を装備できる Procurer(リンク先はアップデートの内容を反映していない可能性があります)を購入。
  一般には、ORE Hold(鉱石貯蔵庫)が最も大きい Retriever(リンク先はアップデートの内容を反映していない可能性があります)のほうが人気のようですが、After Burner を装備できない採掘船は、Mission 地での採掘には不向きだと私は考えたので。

  そして、初採掘……。
  ヒマです。
  まさかの棒立ち状態です。
  なので、真雪も乗れるようにと変更したスキルキューを急遽戻しました。



 さて今回は、Shield 防御に適したFGの Fit です。
(Armor 防御に適した FG については、以前の「Mission で使う Armor 防御のFG 編」を参照してください)

 まず、Shield 防御に適した 戦闘FGです。
  Caldari では MerlinKestrel。Gallente は Tristan 。Minmatar なら Rifter が特に優秀です。(Amarr には、残念ながら Shield 防御に適したFGは存在しません。あきらめましょう)

Merlin
  Merlin は防御と攻撃のバランスが優れた Caldari の Turret 艦です。
  スキルに応じたボーナスは、シールドの属性防御力とタレットのダメージ(以前は最適射程であったが修正された)に特化されています。
  Med Slot 4つは全T1FGでも最高クラスであり、攻守バランスの優れた戦闘艦であるといえるでしょう。
  タレットの技能が未熟なうちは長距離戦で、全体的にスキルアップしたら近距離戦闘でも使えます。

Kestrel
  Kestrel は、同じく Caldari の戦闘FGですが、Med Slot は3つしかなく、特筆するほどのものではありません。
  しかし攻撃力においては、他国のいかなる Missile FGに対してもその追随を許さないのがこの艦の最大の特徴です。
  防御においては平凡かもしれませんが、すべてのT1FGで唯一、4つのミサイルランチャが搭載可能です。
  ミサイルでの戦闘で攻撃を重視をするならば、この船をおいて他にはないといえるでしょう。

Tristan
  本来、Armor 防御に適しているはずの Gallente 艦ですが、この Tristan に限っては、Shield 防御でも悪くなさそうです。
  また、武装もタレットx2、ランチャx2という構成になっており、Railgun や Missile で育てたスキルがそのまま生かせます。
  スキルに応じた Ship Bonus は、ハイブリッドタレットのダメージとトラッキングに対するもので、Missile は補助武装という扱いになります。
  しかしそれでも Caldari人が Gallente 艦に転向する際には最適な艦船といえるでしょう。
  Light Drone を1機搭載することもできて、申し分ありません。
(ええ! 私も大好きな船ですとも!)

Rifter
  Minmatar の攻撃型戦闘艦の先鋭が、この Rifter です。
  スキルに応じたボーナスは、Gallente と同様、攻撃に特化されています。
  Tristan と違うのは、タレットが最大で3つまで装備できることです。
(Tristan は2つが上限)
  このため、ボーナスを最大限に生かしたい場合はタレットを3つ、汎用性を高めたい場合は、タレットとランチャを2つずつ、というような構成にすることも可能です。


  詳細は、EFT や Wiki などでも確認できるでしょう。



  Shield 防御が、Shield Booster(Capacitor を大量消費して Shield を回復する装置)を利用する Active Shield 防御と、Shield の自然回復力を最大限に利用する Passive Shield 防御があることは以前に紹介しています。
(参照:実践。Shield 防御的なサムシング。

  攻撃と防御の兼ね合いも考えて、順番に装備を構築しなくてはなりません。
  Armor 防御のときは、単純に Low Slot から防御に必須の装備を並べていけばよかったのですが、Shield 防御は、防御と攻撃のバランスをどのように調整してゆくかも大切な項目です。
  過剰なほどの防御であれば、そう簡単に撃墜されることはなくなると思いますが、攻撃能力(そして緊張感やスリル)に乏しく、ともすれば眠くなる Fit ができあがります。
  一方、防御がおろそかでは、複数の敵艦による攻撃に耐えられず、その攻撃能力を発揮することのないまま灰になるかもしれません。


【防御力を追求する】
「1にも2にも防御力を」という場合、個人的には Passive Fit にしてしまうのがよいと思いますが、両方紹介しましょう。
  手順は以下の通り。
 EFTなどを利用した Fitting シミュレートをおすすめします。
  1. Med Slot を Fit する。
    [ハードナスロットの確保]
      とりあえず Shield Hardener をひとつ装備します。
    (敵の属性がわからない場合はとりあえずの全属性、Limited Adaptive Invulnerability Field I など)

    [Active Fit の場合]
     Small Shield Booster を装備します。
     Small C5-L Emergency Shield Overload I(Meta4)がよいでしょう。

    [Active / Passive 共通]
     できるだけ大きなサイズの Shield Extender(おそらく Medium くらい)をできるだけたくさん装備します。
     
  2. Low Slot を Fit する。
    [Active Fit の場合]
     まずは Capacitor Flax Coil を利用して、キャパシタの確保をしましょう。
     CPU消費が高いですが、T2が使えるようになるまでは Beta Reactor Control: Capacitor Flux I(Meta4)がおすすめです。
     おそらくこれを満載しても、キャパシタが一定時間で空っぽになってしまいますので、Shield Booster のスイッチをこまめに On/Off する必要が出てくるでしょう。

    [Passive Fit の場合]
     Shield Power Relay 一択です。可能な限り満載します。
     
  3. High Slot(武装)を Fit する。
     防御を追及しているので、武装はランクダウンせざるを得ません。
     
  4. Rig も含めて調整する。



【バランス型】
  1. Med Slot を Fit する。
    [ハードナスロットの確保]
      とりあえず Shield Hardener をひとつ装備します。
    (敵の属性がわからない場合はとりあえずの全属性、Limited Adaptive Invulnerability Field I など)

    [推進系の設定]
      ABを装備する場合は、先に装備してしまいます。

    [Active Fit の場合]
     Small Shield Booster を装備します。
     Small C5-L Emergency Shield Overload I(Meta4)がよいでしょう。

    [Active / Passive 共通]
     できるだけ大きなサイズの Shield Extender(おそらく Medium くらい)をできるだけたくさん装備します。

  2. High Slot を Fit する。
     通常、遠距離型兵装(Standard Missile Launcher / Rail Gun / Artillery Cannon)をする方が多いと思います。
     ある程度慣れたら、近距離型兵装も試してみてください。
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  3. Low Slot を Fit する。
     遠距離型兵装は近距離型よりもPGを多く消費する傾向があります。
     Auxiliary Power Controls(PG固定ボーナス)や Power Diagnostic System(PGやキャパシタなどにパーセンテージボーナス)などを装備して、PGを確保してください。
     どうにも調整不能の場合、武装のサイズを落としたり、Rig で対応しましょう。
     
  4. Rig も含めて調整する。
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【Sample Fit】
  ここで、サンプル Fit の紹介です。
  基本的なスキルを All 3 で設定したキャラクタによりシミュレートしています。
  また、モジュールについては、できるだけ T1 Meta3 のモジュールを利用しています。

(シミュレートはEFTによりました)

<<< Merlin, Railgun / Defence - Shield Buffer >>>
=== Specification ===
-[offence]-
Ammo : Antimatter Charge S ///--- Antimatter 弾の場合。
///--- タレットによる1秒当たりのダメージ
 DPS 49 ( Turret 49 / Drone 0 ) : ( Volley 164 )
///--- それぞれのタレットの射程とトラッキング
 Range : [150mm] 7.9+6.9 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.084 )
     [125mm]   6+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )

Ammo : Lead Charge S ///--- Lead 弾の場合。キャパシタ的にも Lead 弾はお得。
 DPS 32.6 ( Turret 32.6 / Drone 0 ) : ( Volley 109 )
 Range : [150mm] 16+6.9 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.084 )
     [125mm] 12+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )

Ammo : Iron Charge S ///--- 最長射程の Iron 弾。ダメージがひどい。
 DPS 20.4 ( Turret 20.4 / Drone 0 ) : ( Volley 68 )
 Range : [150mm] 25+6.9 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.084 )
     [125mm] 19+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )
 
-[Defence]-
HP : Shield 3,552 / Armor 403 / Hull 460
Possible Tank DPS ( Shield ) ///--- 耐久可能な1秒当たりのダメージ。
///--- 海賊 Angel の場合。
  for  Angel : 57 (Anti Exp / Kin) : KIN 61.8% / EXP 68.1% 
///--- Sansha の場合、ハードナを変えたほうがよいことがわかる。
  for Sansha : 36 (Anti EM / Therm) : EM 36.3% / THR 49%
///--- 属性値が一定の場合。あくまでも参考値にしかならない。
  Uniform (Anti average) : 45

-[Generator Efficiency]-
Capacitor :
///--- すべてのモジュールを稼動していても安定している。
  Stable at 69% ( All Module Activate )

-[Mobility]-
///--- AB,MWD といった推進系を装備していない。
  Velocity : 357 [m/s]



=== Fitting ===
---[ Low Slot ]---
Micro Auxiliary Power Core I ///--- Shield Extender のため、PGを上げています。
Micro Auxiliary Power Core I
Micro Auxiliary Power Core I

---[ Med Slot ]---
Medium Azeotropic Ward Salubrity I ///--- Shield HP を上げています。
Medium Azeotropic Ward Salubrity I
Medium Azeotropic Ward Salubrity I
///---  属性防御モジュール(リンク先は旧名称の可能性あり)
Limited Adaptive Invulnerability Field I 


---[ High Slot ]---
150mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S
150mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S
125mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S

---[ Rig Slot ]---
///--- Shield Extender のため、PGを上げています。
Small Ancillary Current Router I
Small Ancillary Current Router I
///--- Shield 回復量上昇を補助してくれるのは、これだけです。
Small Core Defense Field Purger I

---[ Drone ]---
/// Unloadable ///


[解説](シールドバッファ型 Merlin)
 バッファ型防御とは、一般に ミッションより PvP で多用される防御形式のひとつです。
 HPを増やせるだけ増やして、撃墜される前に撃墜することを前提としています。
 シールド防御の場合、HPが増えるとそのぶん自然回復量も上がりますので、バッファはただの「削りしろ」というわけでもありません。
 このFitでは、一般的なクルーザ2隻分近いHPがあるので、多少の余裕があると思います。
 さらにバッファを増やす場合は、Shield Rig を Small Core Defense Field Purger I から Small Core Defence Field Extender I にするとよいでしょう。
 敵の攻撃に耐えられない場合は、属性防御モジュールを全属性ではなく、敵の属性に合わせましょう。

 HPの確保を最優先としているため、攻撃は若干手薄です。
 推進系装備を持たないため、高速の敵艦に間を詰められると危険です。
 Lead Charge を装填している場合、最適な攻撃距離は12~16km。
 Keep at Range による操舵の場合、中間値の14kmを基準にしてダメージの具合から距離を調整しましょう。





 さて、上記のFitでは速度に問題があるので、推進系を装備してミッションに挑みたい、という方もいらっしゃるでしょう。
 それでは、After Burner を装備したFitを考えてみましょう。
  1. Med Slot の準備。
     After Burner(リンク先は旧名称の可能性あり。2012/08/29 現在の名称は[ Experimental 1MN Afterburner I ])を装備します。間違ってMWDを装備するととんでもないことになると思います。
    (ご存知の方も多いと思いますが、一般的に「1MN」とあるものは FG、DD に、「10MN」は CL、IDS、BC に適しています)
     続いてハードナを装備します。
     その後、可能な範囲で一番大きな Extender を装備します。
     空きがひとつありますが、これはあとで考えましょう。
     
  2. High Slot の装備。
     Hybrid Turret の長射程射出システムといえば、Rail Gun。
     ここはひとつ、一番大きくてすごそうな Meta4 モジュール、150mm Prototype I Gauss Gun を装備して……と思ったら、ぜんぜんPGが足りなくなってしまいます。それに、ちょっと値段が高いですね。
     ここはひとつ、グレードを下げて 125mm に。また Meta Level も下げて、125mm Compressed Coil Gun I を3門装備してみましょう。
     ええ。やっぱりPGが足りませんね。Shield Extender がかなり負担です。
     
  3. Low Slot での調整。
     ここはおなじみ、Micro Auxiliary Power Core I を利用してPGを上げたいところですが、それをしてしまうと、実は防御がおろそかになってしまいます。
     こんなとき、Shield 防御の強い味方が、Power Diagnostic System です。
     結構なCPUを要求されますが、シールドHPと回復力、キャパシタ容量と回復力をそれぞれ少しずつ上げてくれます。
     とりあえず Meta4 モジュール を満載してみましょう。
     これでも足りないようです。仕方ありません、Rig で調整してみましょう。
     
  4. Rig での調整。
     スキルが成長途中の頃は、よくこのPG不足に悩まされました。
     そのため、Small Ancillary Current Router I は、必須ともいえる Rig でした。
     おっと、ひとつ装備したら、PG要求を満たすことが出来ましたね。
     
  5. Med Slot の最終調整。
     ここで、Med Slot に何を入れるか考えましょう。
     Active Shield にするなら、Small Shield Booster を。
     Passive Shield なら、Shield Recharger を装備して、防御力をさらに上げましょう。
     できれば、それぞれ Meta4 Module(Booster:Small C5-L Emergency Shield Overload I / Recharger:M51 Iterative Shield Regenerator)を装備します。
     
  6. Rig の最終調整。
     最後に、Rig による最終調整です。
     Active Shield ならば、キャパシタの底上げリグ、CCC も有効です。
     汎用性が高くなるのは事実ですが、Passive Shield にする場合や、瞬間的な防御力をさらに高めるならば、Shield HP を増加させる Small Core Defence Field Extender I や、回復力を上げる Small Core Defense Field Purger I を装備するとよいでしょう。

     いずれにしても、Rig は取り外したら壊れてしまうので、選択は慎重に。
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 最終的なFitは以下のようになりました。



<<< Merlin, Railgun / Active Shield - AB Equiped >>>
=== Specification ===
-[offence]- ///--- 攻撃に関するデータは、以前とほとんど変わらない。
Ammo : Antimatter Charge S 
 DPS 47.7 ( Turret 47.7 / Drone 0 ) : ( Volley 131 )
 Range : [125mm]   6+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )

Ammo : Lead Charge S
 DPS 31.86 ( Turret 31.8 / Drone 0 ) : ( Volley 88 )
 Range : [125mm] 12+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )

Ammo : Iron Charge S
 DPS 19.9 ( Turret 19.9 / Drone 0 ) : ( Volley 55 )
 Range : [125mm] 19+5.8 (Opt+Fall) ( Tracking : 0.102 )

-[Defence]-
HP : Shield 1,804 / Armor 403 / Hull 460
///--- 耐久可能な1秒当たりのダメージ。
Possible Tank DPS ( Shield )
  for  Angel : (Anti Exp / Kin) : KIN 61.8% / EXP 68.1%
///--- Max は、Shield Booster 可動時。Average はあくまでも参考値。
   Max:84 Average:66
///--- Sansha の場合、ハードナを変えたほうがよい。
  for Sansha : (Anti EM / Therm) : EM 36.3% / THR 49%
   Max:53 Average:42
  Uniform (Anti average) 
   Max:66 Average:52

-[Generator Efficiency]-
Capacitor :
///--- すべてのモジュールをアクティブにすると、1分ほどで枯渇する。
  Lasts 1m 7s ( All Module Activate )
///--- シールドブースタが大食いしている証。
  Stable at 73% ( Deactivate Shield Booster )

-[Mobility]-
///--- AB のおかげで速くなりました。
  Velocity : 357 [m/s] ( Deactivate AB ) / 874 [m/s] ( Activate AB )

 === Fitting ===
---[ Low Slot ]---
Beta Reactor Control: Diagnostic System I
Beta Reactor Control: Diagnostic System I
Beta Reactor Control: Diagnostic System I

---[ Med Slot ]---
Experimental 1MN Afterburner I
Medium Azeotropic Ward Salubrity I
Limited Adaptive Invulnerability Field I
Small C5-L Emergency Shield Overload I(Passive なら:M51 Iterative Shield Regenerator

---[ High Slot ]---
125mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S
125mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S
125mm Compressed Coil Gun I, Antimatter Charge S

---[ Rig Slot ]---
Small Ancillary Current Router I
Small Core Defense Field Purger I
Small Core Defense Field Purger I

---[ Drone ]---
/// Unloadable ///



[解説]
 いかにもありがちな感じで無難にまとめたFit。
 Passive にすればキャパシタ管理が非常に容易になります。
 その場合でも Uniform Possible Tank DPS が 41 程度あるので、まずまずの能力を発揮するのではないでしょうか。
 ABを利用して、敵から最適距離(Lead Charge で 12km)を常に保ちながら攻撃することが可能になるでしょう。
 無難すぎて面白くありません。




 さて、次回からは、いくつかの Fit 例をご紹介してゆくことにしましょう。


(なお、のんびりと記事を作成している間にアップデートが入ってしまい、Condor がバランス型ミサイルFGになっていました)