2021年10月15日金曜日

絶対ここを出ないからね!

 我々カプセラは不死身だ。
 違うだろうか。

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 いや、厳密にいえば我々カプセラは死ぬ。
 しかし死んでも多くの場合は蘇る。
 のんびりぼんやり羊水の中に眠ってばかりいる私だって、これまで何度か死んだ経験はあるのだ。

 そして同時に思い出す。
 この宇宙は、それはそれは恐ろしい場所なのだと。

 だからオールドアースの夢から醒めて、クローンポッドから外に出ても、宇宙が怖くて船に乗れないのだ。
 船に乗っても、ステーションから Undock することができないのだ。

 

 それにしても記憶が整合しない。

 私は確か、WHの中にいたような気がするのだ。
 でも目覚めた場所はステーション。
 どうやら Hi-Sec の、しかもスクールのステーションにいる。カルダリだ。出身校だっただろうか。思い出せない。

 船はT2探査船だ。確かクローク機能を搭載している。
 混乱しつつ真雪を起こす。
 そう、課金だ。世の中、金だぞ諸君!
 たしかそういうキャラだったんじゃなかったっけ私。

 真雪もなぜかステーションにいる。スクールだ。
 おそらくふたりとも出身校にいる。
 ということは、私たちは何らかの理由でWHから逃げたか、WH内部で死んだことにされたのだろう。
 じり貧ながらも、WHはスリリングで楽しかったような気がする。いや血生臭くてひたすら恐ろしかった記憶の方が強いか。

 いろいろなものが、あちこちの星系の、あちこちのステーションに転がっている ── 確信。

 いろいろな船に乗って、いろいろな場所を旅した記憶がある ── 好奇心。

 いろいろなことを学んで、私たちはWHで生活していた ── 核心。

 でも、最後の方だけ、ひどく記憶が曖昧だ。
 何があったのか、まったく思い出せない。

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 ただ驚いたのは、未だに FlatSleeper 社があって、真雪がCEOのままだということ。
 もちろんオールドアースの白昼夢を見ているときだって、私の神経伝達ケーブルにはEVE宇宙の情報がときどき流れてはいた。

 でも、誰かが活動して、誰かが守ってくれていたその Corp に再び戻り、私が活動して私が守ることが出来るのだとしたら、その意味はすこし変わってくる。
 Podの頼りない姿さえ凜々しく感じるのに、CovertOps を「Proteus」と名付けているその事実が、私の当時の恐怖心を物語っている。

 

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※ CovertOps
 クローキングユニットを搭載して任意に使用することで、一切のレーダ/センサから船体を隠蔽することのできるT2フリゲート。
 探索性能にも優れ、偵察や危険区域の渡航に使われることも多い。

※ Proteus
 言わずと知れた Gallente の誇るT3クルーザ。
 ブラスタ使いなら一度は乗ってみたい憧れ。
(しかしWHで一度くらい壊してしまった気がするんだよねぇ……)

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  平たい眠り ── つまりは死をモチーフに名付けられたその所属タグを、懐かしむ。

 Corpを維持するのって大変なのに。
 あちこちにオフィスがあったり(使えない)資材が転がっていて、大変なのに。

 誰か(だいたい見当は付く)が私たちの帰る場所を守ってくれていたのだ。

 私は伝えたい。
「私たちは帰ってきたぞ〜!」と。


 ただ。
 帰ってきたのはいいのだけれど。

 宇宙がコワくてステーションを出られないのです……。

2021年1月22日金曜日

 我々カプセラは不死身だ。
 違うだろうか。

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 オールドアースの白昼夢(IRL)では、12年ほども使い続けたコンピュータがいよいよ動作が困難になり ── OSのアップデートなどずいぶん前からできなくなっている ── 新しいマシンを購入した。
 しかし購入したマシンが新しいことはユーザにとって必ずしも恩恵をもたらすとは限らない。
 周辺機器のドライバやアプリケーションのほとんどは使えなくなり、喜び勇んでインストールしたEVEクライアントは動作しない。

 サイトまで日本語化していてたいそう驚かせたオメガクローン(ゲームタイム、と我々は呼んでいたはずだ)は、私の2*13k円(私と真雪の分)を呑み込んで沈黙してしまった。

 仕方がないので渋々とサポートにチケットを切る。
 最終的に26k円がポケットに戻り、そして私は上四半期にリリースされるというMacのM1チップ対応版クライアントを待つだけの人になってしまった。

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 カプセルに浮かんで伝達ケーブルを通しての艦船制御なんて、すっかり忘れてしまったから、いっそのことAuraにチュートリアルから教えてもらいたいところではある。

 なにより私は最後、WHにいたはずなのだ(居場所を探さないでください)。
 プロービングの技術も遠い記憶の彼方なのに、WHで無事に出口を探し出し、そこから(大抵はLowだのNullだのを何度もくぐり抜け)存続しているかも怪しい Office へ無事に戻るなんていう芸当が私に可能だろうか(どうか居場所を探さないでください)。

 インプラントが刺さっている個体だったかどうかも覚えていないが、刺さっていないならそのまま途中で殺されてしまうのもひとつの方法だろう。

 肉体の死は、カプセラにとって単なる手足の喪失に過ぎない。
 もちろん、その肉体に付随したもの(胃袋の中の夕食であるとかはもちろん、一番の焦点であろうインプラント)は失われるが、それらの喪失は、我々カプセラの魂の喪失を ── 存在の消滅を ── 意味しない。

 洋服やメイクさえ、死ぬ前とほとんど変わらぬ状態で復活できるのである。

>>>

 IRLでは5年か6年ほども経ってしまったように思う。
 それでもこの白昼夢が暖かくなる頃になれば、私は戻るのだ。

 あの漆黒の。
 冷たい孤独の中へ。


2017年6月11日日曜日

故郷は遠きにありて思ふもの

 どこかで焼かれたポッドの中の私は、そして本来ならばスキルクローンに転送されて不死鳥のごとく復活するはずであるのに、どういうわけなのか長い眠りから醒めない。

  オールドアースに漂う夢は阿鼻叫喚の地獄絵巻、とまではいかないものの、引っ越ししたり転職したり配偶者もいなければ実の両親もいないのに親戚の介護をする羽目になったりとてんやわんやが目白押しで、そうこうするあいだに2年ほどの時間が経とうとしている気がする。

 嗚呼。
 如月真雪という私(あるいはつららという私)の意識はなかなか戻れないのではある。

 ああ。
 あの自由な暮らし。気ままに漂って、思いのまま奔放に自分を演じる日々。

 特別な挑戦などなくても、珍しい出来事などなくても。
 ただただ宇宙を行ったり来たりして、エージェントをからかったり、海賊に中指立てたり、PKに追い回されたりして悲鳴を上げたり、不思議な場所を探したり、行ったことのない星系に思いを馳せたり、地味に採掘したり、新製品を開発したり、船や弾薬を製造する日々。
 BPOを持ってあちこち渡り歩く楽しさ。
 弾薬やRigや船を作って、それを使って貰うことのうれしさ。
 マーケットで地味に儲けたり、詐欺にあやうく引っかかりそうになったり。

 そうなのだ。

 笑ったり悲鳴を上げたりする、単純な日々を私は愛しているのだ。



 ガレンテの広大な緑の星雲。
 カルダリの冷徹な蒼の放射光。
 ミンマタの不穏な橙の偏光。
 アマーの不可解な赤い反射光。

 かわいらしい船。
 荘厳な船。
 ヘンテコな船。
 優美な船。

 作り方のわからない発明品。
 扱いに困るクリスマスや新年のプレゼント。

 そしてまるっと心細いPodの中で、死の恐怖に怯え、あるいは勝利に酔いしれ、共鳴通信で笑い、罵り、悲しみ、悩む我々パイロット。

 おもしろおかしい仲間たち。
 まだ知らない仲間たち。

 まるで覚めない悪夢のように、私は彼の地を思い出す。

 そこに眠っている、私の身体を思い出す。
 羊水の中に眠る私たちが、どうか、うなされたりしないように。
 誰かがクローンポッドを廃棄したりしないように。

 私は私に還りたい。
 もしもポッドが卵なら。
 私は私に孵りたい。



 それはかならず叶うだろう。
 だって。私は私なのだから。

2015年11月26日木曜日

宇宙が怖くて船に乗れるか。

 はい。
 乗れません。

 つららです。



 現実世界の息抜きであるところの、私のEVE宇宙とPodなのでありますが。
 長らく私はそこに身体を浸すことができずにいます。

 IRLでのふとしたことをきっかけに、パニック障害の発作じみたものを起こすようになってしまいまして。
 逆説的に、緊張感の高まる状況下で、穏やかな心持ちを維持することができなくなってしまったのです。未熟者の私は。

 かつては、船が燃えても、Podが破壊されても、そのドキドキを楽しんでいられたはずなのに、今は想像するだけでちょっと心が苦しくなります。
 もちろん大元の理由はあるのですが、それはIRLのことであり、EVE宇宙でのんびりぼんやりしている私「つらら」とは、ちょっと乖離のあることなのです。

 まして、今の私の身体は、WHにいるのです。そう、WH。
 でも、数ヶ月も見に行っていないから、 なんともいえないのだけれど。
 もしそのままであったとしたら、WHにいます。
 いえ、仮に全てが放棄されていたとしても、私の身体と私の船だけはWHにいることでしょう。
(怖いよ〜!)

 あのWHの自由な開放感と、いつ何が起こるともしれないその緊張感。

 私は、それに耐えられない重圧を感じて、しばらく休養をしている次第なのでした。

 もちろん、たとえばお医者さんに処方された「ちょっとバカになるクスリ(ひどい言いぐさ)」などを飲んでプレイに臨むこと(ある種の本格廃人プレイ)もできると思うのですが、そんな無茶をするよりは、きちんと自分の状態を整えてからEVE宇宙に行きたいと思って、はや数ヶ月。

 今晩、ちょっと顔だけでも出しちゃおうかな、なんて思ったりしている私です。

2015年5月1日金曜日

そして悲しくうたふもの。

 カルダリといえば私の生まれ故郷なのだけれど、その宙域はあまりに広大で、たとえばどこかのステーションから、あるいは艦橋から、時にはどこかの陸地から、星々を眺めたところで「ああ、あそこが私の故郷のある太陽だよ」とは言えない。

 もちろん、網膜投影ARシステムを起動させれば、雨の夜でも、晴れた昼間でも、私たちは自分の星のありかを知ることができる。

 でも。
 でも、それが。
 それが故郷なのだろうか。

 そうやって、物理的に指標された座標が、人の故郷なのだろうか。

 窓の外の漆黒を眺めながら、私は思う。

 おそらく、人に説明する時はそれでいいのだ。
「私はあの星の、あの地方で生まれ育って、パイロットになりました」と。

 その過程のディティルも、 そこから現在というポイントまでのディティルも、ほとんどの人にとってはなんの役にも立たない情報だ。
 そんな余計なところまでマークアップしないでくれと、かの国の統治局で働き続ける情報集積人工知能なら悲鳴を上げるだろう。

 そう考えると、私たちの一生は、蛇足に満ちているのかもしれない。
 蛇足の集積が、おそらくは人生だろう。

 何度死んでも、何度生まれ変わっても、変わらない。
 明示された戸籍情報のように、私は私にだけ生まれ変わる。
 私だけに生まれ変わる。

 いっそのこと、無味乾燥した座標情報だけが残って欲しいと思うことがある。
 いっそのこと、私の過去のことなど消えてしまえばいいとさえ思うことがある。

  それでも、私は、私という存在を、自分のよりどころにしているのだから、なかなかそういうわけにもいかない。
  記憶操作の手術もあるとは聞くのだけれど、なかなか思い切りが付かない。

 欠落した記憶の所在を、結局、人は知りたがる。
 私がそうしないとも思えない。

 私は私の蛇足を嫌っているのだろう。
 そして同時に、愛しているのだろう。

 カルダリに来るたび、沈鬱な気持ちになる。
 故郷の星系に近づくと、なんとなく、気持ちが落ち着かなくなる。
 それでも、私は、きっとこの青白い星雲をまとった宙域のことを愛しいと思っているのだろう。

 でもそれは、太陽のようなものかもしれない。
 近くで見るには眩しすぎ、あたたかさを通り越した灼熱によって、魂までも焼かれてしまうのだ。

 生命の発生と同じように、重力均衡と同じように、物事には適切な距離があるのだと、私は思う。

 大好きな街だった。
 だから。
 大嫌いな街だった。
 だから。
 宇宙にただひとつ。愛しいと思える場所だった。



 物思いに耽っている背後から、遠く真雪の悲鳴が聞こえる。

「やだもー」とかなんとか。きっと段差につまずいたか、壁に穴でも空いていたとかそんなことだろう。
 彼女は、私のMinmatar 船に乗るたび、あれこれ文句をいう。

「これって中古船を改修しただけなんじゃない?」
「ソファの生地がほつれちゃったんだけど」
「シャワーの温度が安定しないのはどういうことなの?」
「あっちの配電盤から煙が出てたよ」
「シンクの排水、すごーく悪い気がするんだけど」
「どうして拡散パネルに装甲を張るんだろう。設計者の意見を聞きたいよ」
「砲塔に煤(すす)がすぐ溜まるみたいね、掃除しなよ」
「壁の穴から虫が出てきたよ」

 などなど……。
 これでもれっきとしたT2Shipなのだけれど。まぁ。まったく同感だとは思う。



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※ ARシステム(Augmented Reality System:拡張現実システム)
 Podパイロットならおなじみ、現実世界に対して各種情報の同時参照を可能にするシステム。
 神経接続プラグを通しての情報入出力の他、人工網膜に直接情報を投影するなどのシステムも有名なところだ。 
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※ かの国の統治局で働き続ける情報集積人工知能
 どこの国の、どんなセクションで、何を理由に、どんな情報処理をしているのかは、作者には分からない。
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>>>

 カルダリでの生活もそろそろ数ヶ月になっただろうか。
 普段なら、あっという間にFacSTが 5.0 を超え、各地のNPCCorpエージェントと仲良くなって、いよいよ立ち去る頃合いではある。
 しかしながら、Gallente の FacST が高すぎたせいか、なかなか上がらないという状態である。

 真雪はあっというまに5.0を超えたので、今まで関係のなかったCorpには、真雪を通してアクセスしている。

 そんな真雪であるが、 第1回 Ms. EVE japanese という企画に参加することになった。
(したくなったらしい)

 Corpのメンバ勧誘もまともにしない消極性のカタマリのようなCEOなのだけれど、こうしたイベントに勝手に積極的に参加するという気まぐれさは、まぁ、らしいといえばらしいのかもしれない。

>>>


※作者註
 真雪で記事を書くことがほとんどないため、あまり紹介されませんが、真雪は真雪で、誰も知らないキャラクタ設定が実は多くあったりします。

 当初はつららのAltキャラとして作って、Caldariから家出した放浪癖のある姉を捜す旅に出たパイロットということにしていたのですが、同じ Corp に一緒にいることになったため、二人は再開したということになりました(笑)。

 それ以外にも、彼女は本格的なぼんやりタイプで、つららより臆病で、あと同性愛者という設定だったりしますが、そんなことはいっさいゲームプレイに反映されていません(笑)。

 最初の頃は、口調や会話の傾向も細かくコントロールしてロールプレイしようかと思ったこともあったのですが、そんなことは無理でした。

2015年2月23日月曜日

ブラスタ使いを目指すあなたのための、ちょっとしたおせっかい。(ぶらすた道 その2)

 さて、前回のおさらいから。


○ ブラスタは 短射程/高火力/高トラッキング/連射タイプの兵装で、キャパシタと弾薬を消費する。

○ 至近戦は浪漫。

○ ブラスタの攻撃属性は Kin / Therm に固定されていて、T1弾薬は Kin > Therm、T2弾薬は 高火力タイプが Kin=Therm、射程重視タイプが Therm > Kin になっている。

○ Fac 弾は Caldari NAVY も Federation NAVY もダメージは一緒。

○ ブラスタ艦は、間違いなく、敵艦と至近距離で戦闘する必要があるしそのための武器だ。

○ どうせだから火力重視でタレットと弾薬を選ぼう。Neutron と Antimatter 弾(むしろ Void 弾)しか道はない!

○ ブラスタ艦の交戦距離は適正なダメージを与えることを考慮して、だいたい Sサイズで 500〜900m、Mサイズで 1200から1800m、Lサイズで 3kmから10kmくらいがいい。
(上記はすべて Antimatter 弾の使用を想定しています)

○ PvEで、敵フリートに単身乗り込む時は、気をつけろ!

○ Web は危ない。

○ タゲペンも危ない。

○ Scram もとうぜん危険。

○ その上で、殴りましょう。ブラスタはそういう武器です。

○ 最悪、刺し違えれば上等だ。 (※PvEでこの発想は危険です)


 ……だいたい理解できたでしょうか。

 さても高火力が魅力のブラスタなのですが、いかんせん、敵 Fleet に単身乗り込むのは心細いものです。

 まずは前回の至近距離戦闘における危険性をどのように回避するべきかを考えてみましょう。


○ 交戦距離1000m以内でのPvEの危険性の傾向に対策する


 前回の最後の項目で、Web / Target Painter / Scram の特性と射程についてお話ししました。
 ざっと見ておわかりと思いますが、Web と Scram は射程が短いため、PvEでは FGが掛けてきます。
 逆に Target Painter は射程が長く、BCからBSが主に使用してきます。

 敵性集団の中にこちらから単身飛び込む場合、複数の大型・小型艦船から、同時にこれらの妨害を受けて、同時に攻撃を受ける可能性があります。
 ほとんど停止して信号サイズも増大した紙装甲の船なんて、いいマトです。ついでにワープもできないとなれば。

 当然ながら、妨害を仕掛けてくる船を真っ先に落としたい。それこそがセオリィ。
 せめて Scram と Web だけでも落としたい。
 いやこの際 Scram だけでいいや。

 ……と思っているのに、複数から同時に妨害された上、攻撃されてはひとたまりもありません。

 これを避ける一番手っ取り早い方法が「引き撃ち」です。(えぇそんなぁ……)

 といっても、長距離兵装のように引いて、撃って、また引いて……と繰り返すのではありません。

 とりあえずこちらを攻撃しようとしている敵集団から離れて、敵艦隊をその速度ごとに分断することが目的です。
 だいたい Web と Scram を装備した FG は PvPではタックラと呼ばれるとおり、高速で特攻してきます。
 Spider Drone と呼ばれる、Web Droneも同様です。
 だいたいブラスタ使いと同じくらい、単身で乗り込んできます。

 一方、大型艦はどうでしょう。
 ほとんどのBSはMWDも搭載していませんし、100〜200 [m/sec] でのんびり飛んでいます。
 艦船サイズごとに、当然速度が違うので、全機がこちらに向かって来ると、どうしても集団にばらつきが生まれる、というわけです。

 なので、敵集団がこちらに対してノーマークの場合、とりあえず1発くらい、あたりもしない距離から撃つだけ撃って、タックラに対して 30km くらいの距離を取るように全速力で逃げます。
 Keep at Range ではなく、宇宙空間をダブルクリックで逃亡するのもよい方法です。
 しばらく(だいたい 30〜100 km くらいでしょうか)逃げると敵集団は長い帯状に広がります。
 MWD搭載の小型船も、MWDが息切れします。

 さぁ。
 あなたのブラスタが飾りではないことを証明するときが来ました。

 もちろん、あなたがAB装備で、敵のタックラに捕まることもあるかもしれません。
 そのときは、まずその Web や Scram を掛けてくるタックラを真っ先に落とします。
 もう Orbit なんかやめて 500m Keep at Range です。逆タックルの勢いで叩きのめしましょう。ブラスタは叩く道具ですから。
 このとき Lead Charge を使うのも1つの方法です。

 威力は落ちますが Antimatter よりも射程が(少しですが)長くなり、キャパシタ消費が少なくなります。
 もしも危うい局面でワープが必要な場合、このキャパシタ消費がものをいうこともあるかもしれません。(「こんにちは〜!」とかしゃべりだす、ということではないので安心してください)

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※ AB(アフターバーナ:After Burner)
 推進系モジュールの1系統。
 MWDほどの速度は出ないが、キャパシタ減少ペナルティもなく、消費キャパシタも優しい。
 信号サイズ増大ペナルティもないので、使いやすい。
 艦船サイズに合わせたものを搭載しないと意味がないのは、推進系の定め。

※ Lead Charge
 Hybrid Charge は複数種類があり、T1弾薬は射程重視低火力型と火力重視短射程型にかけての分布となります。
 T1のうちの Lead Charge は射程重視と火力重視のいずれにも属さず、中間的な位置にあります。
 この弾薬の優位性は、キャパシタ使用量が少ない、という点です。
 逆に、火力重視型や射程重視型は、特化されるほどキャパシタ消費が激しくなります。
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 こうしてタックラのFGを落とせば、あとは近づいてくる攻撃型FGを落とし、DDを落とし、CLを落とし、BCを落とし、BSを落としてゆきます。
 勝手に近づいてきますし、距離があったらこちらから近づけばよいのです。
 どうせ鈍くさい連中ばかりです。

 もしも途中で別集団から攻撃を受け始めた場合は、その集団のタックラ(もしくは手頃で近くて速いFG)に対して全速力で逃げます。

 ブラスタ艦に必要なものは、ブラスタと、素早い逃げ足、です。


○その他のちょっとした小枝 


 基本的な対策さえできてしまえば、大型艦の攻撃は当たりません。
 ……いや、まぁ、ときどき当たりますが、致命的なことはそれほど多くはないかもしれません。
 ……そんな気がします。多分。

 ……。
 さて、気を取り直して、それ以外のちょっとした小ワザをご紹介。

○ 遠い敵艦に近づく時は Orbit コマンドを使う。
 まぁ、たいしたことではありません。
 でも、真っ直ぐに向かうよりも、ちょっとだけ軸をずらすことができます。
 つまり角速度がちょっとだけブレるということです。
 これで「Lタレットでも遠距離なら狙える」とか思っている大型艦からの直撃を、少しでも軽減する可能性に賭けましょう。
 本来であれば 10〜20km の半径で Orbit 機動をしたいところですが、いちいち右クリックから選ぶのは面倒なので、既定の距離(FGなら600m とか)でいいんじゃないでしょうか。

○ Keep at Range は2種類必要。
 先ほどの例にあるとおり、ブラスタ艦では敵集団を引くための長距離 Keep at Range(以下 KaRと省略)と、トラッキングを最低にして敵艦をただただ落とすために近づく KaR、2つを使い分けます。
 いちいち設定するのはばかばかしいので、どちらかを既定の距離にしておきましょう。
 どちらをどうするかは好みです。

○ ミッション開始直後の大型艦の攻撃を防ぎつつ、その場で待つ方法。
 ミッション地にたどり着いて間もなく、敵艦隊がこちらをロックし始める。
 そんなこともあります。
 ただ、敵 Fleet までの距離が60kmほどあり、わざわざ逃げるまでもなく、ここで待っていたい。
 待っていたいけれど、止まっていたくはない。
 そんなときがあなたにもあると思います。ない? ないの?

 私にはあるのですが、そんなときでも、ミッション地には、かならずビーコンがあると思います。
 ええ、あなたの船のすぐそばにある、役に立たないあのマークです。
 あれに対して全速力で Orbit して、敵タックラが近づいてくるのを待ちましょう。
(※全速力といっても、MWDを稼働させる必要はありません)
 Fleet で戦っている時は「つららさん、なにしてんのwww」とBSに乗っているメンバに笑われるかもしれませんが、そういう大型艦には遠慮なくタックルしてやるといいと思います。
(もっとも、たいていはみなさん自分の戦闘に没頭しているので、こうしたヘンな動きは悟られません)

○密集した障害物には気をつけよう。
 敵艦隊に飛び込むのはいいのですが、ときどき、建造物など思わぬ障害物のせいで、あなたの船が本来の速度に到達できないことがあります。
 Web でもないのに速度が出ない。
 これは危険なので、十分注意しましょう。

○ひとりではクリアできないミッションを知ろう。
 FGでL4ミッションをする場合に、いくつか、高難易度になってしまうものがあります。

・まず、のっけから Stasis Tower が待ち構えているミッション。
 たとえば Blockade
 Stasis Tower は、FGよりもカタい上に、FGよりも遠くから Web を掛けてきます。
 近づくのが大変……。

 Downing The Slavers (2/2)
 は、Stasis Tower が2基。うーん。。。

 ちなみに、Rogue Slave Trader (上記 1/2) は、救出する奴隷がたくさんいて、カーゴに収まらないため、これまた小型艦には不向きです。

・環境ダメージがあるミッション。
 L4ミッションは、BSによる攻略を想定しているため、補正なしで襲いかかる環境ダメージは、FGにとって致死的。CLでも、ちょっとキビシイ。

 Recon(3/3)
 ゴールに向かう途中、ときどき燃え上がって燃え尽きたりします。

 Patient Zero
 凶悪な環境ダメージに耐えきれず、燃え上がった気がします。

 Damsel in Distress

 注意しながら進めればなんとかなりますが、Garden の爆発は本当に強烈ですから、安易に破壊しないようにしたいものです。

 他にもあった気がしますが、忘れました。

・敵が回復するミッション。
 どれだったか忘れましたが、Web / Scram を叩こうにも、Repair Tower を先に破壊しないとどうにもならないミッションがあったように思います。
 Repair Tower は遠く、そして高い耐久力を誇っていました。

・敵が湧くけれど相手をしなくていいミッション。
 Recon(2/3)
 とっととステーションに帰るのが吉。

 Cargo Delivery
 Energy Vampire を掛けられて、電力が切れて死ぬまでがチュートリアルです。

 これ以外にも、FGソロクリアが非常に困難なミッションはいくつかあります。
 あえて挑戦するも良し、 助けを呼ぶも良し。宇宙の藻屑になるも良し……。

○最後に
 見出しがコワザ、ではなく、コエダであることに君は気が付いたか。






 では次回は、いよいよブラスタ艦の Fitting について。
 ・推進系や Engineering系のスキル
 ・タレットのスキルをどうするか
 ・DPS を上げるならインプラントを刺しちゃいなYO!
 ・ブラスタFGの防御はどうするのか

 などでおせっかいを焼いてみたいと思います。

ブラスタ使いを目指すあなたのための、ちょっとしたおせっかい。(その1)


 Flat Sleeper を設立して、もう4年になる。
 先日、ある Corp メンバに教えていただいて気が付いた。

 当初、真雪のための脱税Corpだったはずが、今では立派な小規模Corpになった。

 Office は 4大Facにあるし、戦争も経験し(て逃げ回ったり、退避専用Corpを作ったりし)た。
 WHに移住したり、そこを襲撃されたりもした。
 Corpから一時的に離脱し、Nullでの生活もした。
 サルベ泥棒はもちろん、トラクタユニット襲撃犯にも慣れた。

 スクールを卒業してから、およそ5年。
 信じられない。
 Podを破壊され、スキルクローンに情報転写されたことも一度はあるが、飽きもしないでPvEコンテンツを楽しんでいる。
 そう。今でも。

 たしかにカルダリのエージェントどもといったら、カタブツで食えない人間が多いとつくづく思う。
 自由を満喫できるガレンテは、しかしときどき、私が Caldarian であることを痛烈に思い出させる。
 ひとたびステーションの一般居住区に迷い込んだりしようものなら(パイロットスーツやARシステムのおかげで)Podパイロットであることが最後の砦のように守ってはくれるものの、それでも私がよそ者(しかも、Gallentian の歴史上、自らこの地を去っていった身勝手な出奔者)であることは隠しようがない。

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※ARシステム(Augmented Reality System:拡張現実システム)
 Podパイロットならおなじみ、現実世界に対して、各種情報の同時参照を可能にするシステム。
 神経接続プラグを通しての情報入出力の他、人工網膜に直接情報を投影するなどのシステムも有名なところだ。
 私たちはある程度のIDをいつでも互いに参照できるようにすることで、お互いの安全性(あるいは危険性)を確認することができる。
 たとえば私が Gallente を歩くことも、非合法な行いではないのだと。
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 Pod の溶液に浸っている時は、いつも孤独だ。
 いくら Fleet を組んでいる最中であっても、私と繋がっているのは、神経伝達ケーブルだけ。
 その孤独が溶液となって私を包み、守ってくれているとさえ、私は思う。

 でも、一般居住区にいるときに感じる孤独は、わたしを守ってはくれない。
 ちくちくと、刺すように、私に辛辣な思いをさせる。
 Pod の中で艦載コンピュータに繋がっていると安心する私は、すでにこの人間の身体を必要とはしていないのかもしれない。

>>>


 さて、今日こそはクールに決めてみましたよ!(おい)

 今回もアップデートがあり、とうとう Minmatar 製の T3 Destroyer が追加されました。
 市場にはすでに(Amarr のそれが出た頃に比べると適正な価格で)出回っていて、スキルを上げるのが間に合わない感じです。

 Amarr の Tactical Destroyer のスキルも上げたのですが、どうも乗る気になりません。
 いえ、かっこいいんですよ。そりゃもちろん。

 でも私、Gallente製の T3 Destroyer が出るのを、待っているんです。
 だってだってアータ、Gallente製といったら、武装はブラスタ/ドロンに決まっているじゃないですか。
(冒頭にもあるとおり、私は Gallente の敵対国家である Caldari の生まれです)

 なんてひそかな私の目論見などは放っておいて、今回はブラスタ使いのための、ちょっとしたおせっかい講座を急遽開くことにいたしました。
 自分でいろいろ(主に船を)落としながら経験していきたい。というあなたは、回れ右して「ひさしぶりのGallente。」 などをお読みいただくのもよいかと思います。




○ブラスタ使いになるにはどうすればいいのか


 ブラスタのスキルを覚えて、ブラスタを船にFitして弾薬を装填し、適当に目標に近づいて、発射してみましょう。
 プラズマ化した Hybrid Charge は、うまくすれば対象に Kin/Therm のダメージを与えます。
 そう。みなさんもご存じのとおり、これだけです。

 でも、ブラスタの戦闘をPvEで行うには、相応のリスクがつきものです。
 実際に上記の通りのことをしようと思っても、たいていはダメージが計上されないか、それ以前に消し炭になっていることでしょう。
 なぜならば、敵の群れの中に単身飛び込んで接近戦をしなくてはならないからです。

 安全なPvEの基本は、遠距離からの引き撃ちです。
 一番近い距離にいる敵から、自分の得意とする距離を保ち続ければ(そしてすべての敵に対してより高速で、すべての敵に対してより長射程であれば)必然的に敵集団は各機ごとの速度に応じて分散し、最寄りの敵艦を一隻ずつ安全に排除できます。

 ブラスタでの戦闘は、これを真っ向から無視する戦闘です。


○ブラスタの特徴ってどんな?


 ブラスタの特徴は、とにかく圧倒的な短射程。
 地上であれば、声が届くかもしれない距離まで対象に近づく必要があります。

 次に短射程であればこそ実現できる、高い火力。
 攻撃属性は Kin / Therm に固定ですが、T1艦であればシールドにもアーマにもバランス良くダメージを与えられるというのは利点と考えて良いでしょう。
 PvEでは、ミサイルや火薬砲に比べて優位性は低くなってしまいますが、そこを補うだけの火力を見せつければ、文句をつける相手はいなくなるはずです。

 そして短射程であれば当然必要な、高いトラッキング性能。
 至近距離での戦闘で、トラッキングが適正値に達していないと攻撃は命中しません。

 ではまず、ブラスタの基本性能をおさらいしてみましょう。
 とりあえず、基本となるSサイズから。
 いきなりT2から説明されても困りますから、ここはT1Meta4モジュールをご紹介。

 ちなみに、ブラスタは出力に合わせて「Neutron > Electron > Ion」の名が付いています。
 もしもあなたが、高出力(つまりはより大きな火力)を求めているのなら(そうでない人がブラスタを使うとは思えませんが)Neutron ブラスタの他に選択の余地はありません。


Modal Light Neutron Particle Accelerator I

 これが T1 Meta4 Small サイズのブラスタです。
 スキルによる補正なしで、Opt.Range が 1800[m](以前はもっと短いものでした)。
 Falloff が 2500[m]。
 つまり、最適射程である1800[m]前後を基準に、対象との距離を保つ必要があります。
 精度限界である4300(1800+2500)[m]を超えると、まずダメージは計上されません。
 1800mを超えて、4300mまでのあいだは、ダメージ減衰が発生しています。
 つまり、1800[m] 以内の距離で対象を攻撃するのが望ましい兵装、ということになります。
 Tracking はおよそ 0.38 [rad/sec]。

 Radian 計算なんてパイロットスクールではちょちょいのちょいです(というのは演出で、今日、一生懸命おさらいしました)。
 だいたい一秒にえーと……(1rad を 60°と仮定して、そのおよそ40%とする概算で)、24°弱です。
(細かく計算すると、22°弱でした)
 一秒あたりの相対角度が22°以上動いちゃうと、当たらないかもしれない、ということです。
(Radian/Sec については、各自調べてみてください)


Caldari Navy Antimatter Charge S

 むつかしい計算をして、アタマがクラクラしてきました。
 弾薬を見てみましょう。
  一般的なFac弾薬、Antimatter S です。
 ちなみに、Caldari Navy と Federation Navy の弾薬。
 違いはありません(多分)ので、安い方を使うといいと思います。
 まぁ、生粋の Gallentian は Caldari Navy の弾薬なんて死んでも使わないと思いますが……。

 ところでよく見てください。
 Antimatter Charge は、Range Bonus が付いていますね。
 −50%。
 ええ。マイナスです。減少します。Opt.Range が半分、ということです。

 結果として、先ほどの Opt.Range + Falloff は、4300 (=1800+2500) [m] ではなく、3400 (=900+2500) [m] になります。
 ついでにいうと、ダメージ減衰を最小限にするためには、攻撃対象から900m 以内の距離から射撃することが望ましい、のです。

 900mです。

 なかなかそんな広い平地を探すのはむつかしいものですが、目のよい人なら肉眼で、人の顔を判別できますし、大きな声であれば会話も可能な距離です。ゴルゴ13も呆れてホテルに引き返す距離です。
 しかしこれが、Sサイズブラスタの適正交戦距離限界です。


○適正交戦距離から考える攻撃機動 


 さて、仮に 900[m] の距離で Orbit しているとして、機体はどの程度の速度を保つべきでしょうか。

 先ほどの計算から、タレット側のトラッキング限界はおよそ 0.38 [rad/sec] であることが分かっています。
 角速度は相対的ですから、こちらにとって攻撃対象が 0.38 [rad/sec] 以内の範囲にある時は、相手にとってこちらの角速度も等しいものになるはずです。(機体前進軸方向の変位による補正がされているのかどうかは分かりません)

 1[rad]は半径に等しいArcの長さです(多分。そうだと思うんです……)
 Orbit Radius 900[m] における 1[rad/sec]の速度は 900m/secになります。
(Radian 計算の概念に沿うと、これでよいはず……)
 すると、0.38 [rad/sec] におさまる速度は、900*0.38で、342 [m/sec]。
 スキル補正を考えない一般的な Blaster FG の速度はというと、実に不思議なことに 300〜340[m/sec] 前後。
 ABやMWDをカットしてちょうど良い速度になる、というわけです。


○交戦距離1,000m以内でのPvEの危険性


 L4ミッションなどではひとつの敵艦グループ(敵性 Fleet ですが、PvEなのでクラウドと表現しても良いかもしれません)が10〜20隻ほど集まっている場合があり、それぞれの艦船距離はたいてい数kmです。
 こうした Fleet が複数存在することもあり、その場合、それぞれの Fleet の間隔は数十km です。
 任意の Fleet 内の目標を攻撃する時、同一 Fleet に所属している他の艦船の距離は長くて20〜30kmほどでしょうか。
 これは FG の交戦距離としては長距離になりますが、DD / CL / BC / BS にとっては、適正もしくは至近距離、ということになります。
 たとえばLサイズの長距離兵装(Railgun や Cruise Missile、Beam Cannon、Artillery Cannon など)にとっては、近すぎます。
 Mサイズの長距離兵装はちょうどいいくらい。Sサイズの長距離兵装には遠い場合もあるでしょう。

 実際に、速度が十分であれば、Mサイズ以上の兵装による攻撃は、そのほとんどを躱すことも可能です。
 ミサイルはそのダメージのほとんどを、サイズと速度によるダメージ減少補正によって計上することができず 、タレットもトラッキングが間に合わない場合がほとんどです。
 FG にとっての超長距離(ここでは 40km 以上を想定しています)の場合、直線距離からの接敵中に直撃を受ける可能性がありますが、長距離兵装は連射ができないものばかりなので、10隻以上の艦船から同時に被弾するのでもない限り、勝機はありそうです。

 問題は FG によって掛けられる Web です。
 さらに中型/大型艦からの Target Painter が重複した場合、とうぜんながら致命的なことになり、この上 Scram まで重なった場合、死を覚悟する必要があります。

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(以下の数値はいずれもスキル補正を考慮していません)

※ Web( ウェブ:Stasis Webifier
 重力工学が生んだ速度低下モジュール。
 T2品の射程は10,000 [m] で、目標に60 [%]の速度低下を引き起こす。もちろん、複数照射された場合、さらに速度が落ちてしまう。


Target Painter(タゲペン)
 光学/電子工学によってもたらされる目標補足補助モジュール。
 T2品の射程は30 (Opt.Range) 〜 90 ( Opt.Range + Falloff ) [km]で、目標の信号サイズが 30 [%] 増加する。
 複数照射されれば、そのぶんダメージも痛いことになりがち。


※ Scram(スクラム:Warp Scrambler
 重力工学の応用によって、ワープコア(ワープドライブのためのエナジ増殖炉)のシステム不全を引き起こし、ワープドライブを完全に阻害する。
 短距離型のモジュールはワープ妨害強度が2倍で、MWDも機能停止させる。

 長距離型T2モジュールの射程は 24 [km]。
 短距離型T2モジュールの射程は9[km]。
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 まず、Web ですが、これによって速度は大幅に減少します。
 2基以上の照射を受けると、びっくりするくらい遅くなります。
 3〜5基になると、船を降りて走った方がいいような場合もあります。

 タゲペンは地味ながら、ミサイルの被弾ダメージを適正化し、大型タレットのトラッキングを補正してゆきます。

 これらによって、FG のアドバンテージである「高速・小型」という利点は霧散します。
 高速でもなく、小型でもないFGというのは、たとえるなら積載量の少ないIDS、あるいは大きなシャトルのようなものです。

 もちろん本来なら Warp して戦場から離脱することはいつでも可能です。
 けれども Scram を受けていた場合、Scram を掛けてきている相手を撃破しなければワープもできません。
 対象が、もしもこちらのトラッキング以上の速度で Orbit していたり、こちらの射程外から Scram を掛けてきている場合、とりあえず Web を仕掛けてくる船を攻撃するほか打つ手もありません。

 防御力をあてにすることのできない小型艦にもたらされた「回避・撤退が絶望的な状態」こそ、もっとも危険な状況です。

 次回は、こうした危険をいかにして最小限に食い止めて行くかを考えてみましょう。